2012/08/09(木)xDカードが消えた理由

 2002 年に FUJIFILM と OLYMPUS が共同開発して導入した xD ピクチャーカードは、10 周年を迎えることなく市場から姿を消しました。敗因は色々言われていますが、一言でいえば、開かれた規格ではなかった、ということでしょう。
 当時シェアを握っていた2大メーカーにすれば、著作権保護機能を省略してコストダウンを図れば、収益アップにつながると踏んでいたはずです。それが裏目に出た形です。

 SD カードはケータイに使われているし、メモリースティックは音楽プレーヤーやビデオカメラにも使われています。それに対して xD カードはデジカメだけです。しかもフジとオリの2社しか採用しませんでした。
 それとライセンス契約を要求されるのを嫌って、xD カードに対応しない周辺機器が多かったのもマイナス材料でした。読み取りエラーなどトラブルの中には、こうした部分が含まれていたかもしれません。

 スマートメディアであれだけ苦労したのに、接続端子は剥き出しのままでした。小さくなっただけで何も改善されていない、そう感じたユーザーは多いはずです。
 それを言えば SD カードも端子は剥き出しです。xD カードだけ非難されるのは変なのですが、一度ミソをつけると不信感を拭い去るのは大変です。

 xD に切り替えてから、フジとオリはシェアを落としました。コンパクトフラッシュを採用していたニコキャノのコンデジが、SD カードに切り替わったことも影響しました。それ以上に影響したのは、カメラ付ケータイの記録メディアにマイクロ SD が使われたことです。アダプターで SD カードと共用できます。
 ソニーもケータイを作っていたから、自社製にはメモリースティックを採用しました。音楽プレーヤーやビデオカメラのメディアとしても使われました。独自規格でも踏ん張れたのは、これが大きかったと思います。

 xD を採用した2社は、デジタルカメラで使うことしか考えていなかったようです。最大の敗因は、ここなのかもしれません。フィルムに代わる利益源にしようなんて欲を出さずに、規格をオープンにしていたら、少しは様子が違っていた可能性はあります。
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