2012/08/11(土)最後まで踏ん張るのは35mm判?

 前回話題のラピッドフィルムは完全な失敗例ですが、それ以外の規格でも早々に姿を消したものがあります。コダックが開発したディスクフィルムは、その典型例でしょう。円盤状の専用カートリッジフィルムを使うシステムでした。
 原板のサイズは、ワンテン(110)と呼ばれたポケットフィルムよりも小さなものでした。画質的にはかなり劣ります。いくらカメラが薄く設計できるといっても、こんな規格が生き残れるなんて、誰が思ったんでしょうね。

 銀塩素材を使った製品は、現像処理を伴います。円盤状のディスクフィルムは、ホタテ貝の養殖みたいに、ひもにでも通してタンクに沈めたんでしょうか? 当たらずといえども近からず(?) そんなやり方だったんだろうと勝手に想像しています。
 110 サイズのフィルムは、玩具カメラに採用されたりして、何度か復活のきざしがありましたが、ディスクフィルムは、浸透する前に頓挫したため、二度と日の目を見ることはありませんでした。

 デジタル時代のフィルムとして鳴り物入りで登場した APS(IX240)規格は、現時点でちょうど終焉を迎えた状態です。デジタル化の波を被る中で、よく持ち堪えたほうだと思います。
 結局、最後まで残るのは 35mm 判だと言われてきました。映画用フィルムと共通の規格だったのが、生き残れた理由のひとつでしたが、映画のデジタル化も進んでいます。どうなりますやら。

 銀塩素材の利点は、高画質が低コストで得られることです。大判シートフィルムの画質をデジタルで得ようとすれば、現在でもある程度の費用が掛かります。ついこの前まで、ブローニー程度の画質を得るのに、何億円もの投資が必要でした。
 35mm 判が最後まで残るかどうかは、まだ予断を許さない状況です。気がついたら、この世から 35mm フィルムが消えていたりして・・・
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