2012/09/01(土)大口径レンズの魅力

 わずかな明るさの違いのために、高いお金を出す必要はないと思いつつ、実際に購入する段になると、ついつい明るいレンズに惹かれてしまうのは、カメラ好きの嵯峨みたいなもんですね。
 プラナー 50mm F1.4 を買ったときは、別の理由がありました。当時扱っていたヤシカの人に、F1.4 がいいと薦められたからです。暗部の描写が F1.7 よりもいいと言ってました。要するに F1.4 のほうがコントラストが高いとの評価です。「あんたならわかる」というのが殺し文句になりました。

 当時の標準レンズは、F1.7 クラスが約2万円、F1.4 が約3万円が相場です。ニッコール 50mm F1.4 でも 36,000 円でした。それに対して、プラナー 50mm F1.7 は 29,000 円、F1.4 は 43,000 円もします。メーカーにプロ用デモ機の申請をするときに、「イチナナのほうでいいから」と言ったら、先ほどのコメントが返ってきました。
 さらに、ニッコールの F1.4 は最短撮影距離が 60cm、プラナーの F1.4 は 45cm、この差が中間リング分で 7,000 円だと思えば、けっして高くないとの言い分です。ちなみにプラナーの F1.7 は、最短撮影距離が 60cm でした。うーむ、やっぱりイチヨンか・・・

 カールツァイスのレンズは、大口径レンズが魅力です。歴史に名を残すレンズが何本かあります。そのうちの1本がプラナー 85mm F1.4 でした。このレンズを使うために CONTAX のボディーを買ってもいいと言われたレンズです。もちろん真っ先に買いました。
 当時 CONTAX の宣伝で「F1.4 の砲列」というのがありました。85mm F1.4、50mm F1.4、35mm F1.4 です。レンズを装着して3台並んだ姿は壮観でした。このうち 35mm F1.4 は買いませんでした。165,200 円の価格もさることながら、540g というのは 85mm F1.4 に近い目方です。スナップ用の 35mm にしては重すぎます。手元にあったニッコールの F1.4 は、そんなに重くありませんでした。
 「酸化セリウム」の先生は、昔 CONTAX を使っていて、35mm F1.4 付を首から下げて飛び降りたら衝撃でレンズマウントが壊れたとか言ってました。首の骨が折れなくてよかったですね。

 当時のツァイスレンズはマニュアルフォーカスです。精度の問題で AF 化には消極的でした。AF 化されたのは 645 システムと互換性を持たせた N システムからです。超音波モーター内臓の太くて大きなレンズでした。
 ツァイスの単焦点レンズは、マニュアルフォーカスで使うものだと、個人的には思っています。
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