2012/09/07(金)レンズ設計とフォーマットサイズ

 デジタル一眼レフやミラーレス機のフォーマットサイズを取り上げたのは、レンズ設計に大きな影響があるからです。例えば、フルサイズ用のポピュラーな標準レンズ 50mm F1.4 を 4/3 規格のカメラに装着すれば、100mm F1.4 相当で使えます。フルサイズ用で、こんな明るい 100mm はまずないはずです。しかもイメージサークルはそんなに要らないから、新設計で作れば、もっと小型軽量化が図れます。
 コスト的にも安くできるはずですが、価格が下がるかどうかは別の問題です。新設計の 100mm F1.4 を求めている人がどれだけいるか?という問題もあります。

 一般的に、フォーマットサイズが小さいほうが、F 値が明るいレンズが低コストで作れます。望遠側に強いのも特徴です。その反面、ワイドレンズの設計が難しく、既存のワイドレンズが流用しにくいのが難点です。例えば、28mm のワイドレンズは 56mm と、長めの標準レンズとしてしか使えません。焦点距離が2倍になってしまうからです。

 個人的には、フルサイズ用の交換レンズを 4/3 フォーマットと兼用しようというのは、ちょっと無理があるように思います。望遠レンズが超望遠になるのはいいとして、焦点距離が2倍というのは、使用頻度の多いワイド系には不利です。利用価値があるとすれば、ハズキルーペみたいな使い方ですね。(シジミ蝶がアゲハに・・・)

 4/3 フォーマットは、1インチセンサーとはサイズ的に近いものの、APSC よりひと回り小さいので、互換性に乏しいのが難点です。フランジバックの短い E マウント機にマウントアダプターを使って装着すると、周辺部がケラレます。
 今年の2月に、E マウント用アダプターにフォーマットサイズの小さい 4/3 (m4/3)用があるのはおかしいと指摘したら、先行する 4/3 用のマウントアダプターを重ねて使えば安く済む、とのコメントを頂戴しました。
 4/3 フォーマットのレンズではなくて、APSC やフルサイズ用のレンズを使うためなんですね。それなら納得です。
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