2012/10/05(金)スマホはコンデジの進化を促す

 今年のフォトキナは、カメラの新製品ラッシュでした。いままで一部の機種しかなかったフルサイズ機が各社から発表され、一眼レフのフルサイズ化が予測されるようになりました。このところ好調なレンズ交換式のミラーレス機も新製品が目白押しです。
 一方、写りを重視したコンデジに関心が寄せられています。スマートフォンの普及に押されて、低価格の普及機が減少傾向にあるなかで、付加価値のある高級機を投入する動きが出ています。スマホとはひと味違う機能や写りで差別化しようという戦略のようです。

 ミラーレス機を検討していて、これ以上マウントの種類を増やすよりも写りのいいコンデジのほうが・・・と書いたことがありました。そのときはコレッ!という機種が思いつきませんでしたが、ここへきて意欲的な製品が登場しています。
 コンデジでもいいと思わせる秘密は、フォーマットサイズです。一般的な 1/2.3 インチよりも大きい撮像センサーを採用する機種が増えました。1インチセンサーを搭載したソニー DSC-RX100 のサンプル写真を見たら、結構よく写ってました。高感度特性もいいようです。

 APSC サイズの3層構造センサーを搭載したシグマの DP1m(換算 28mm)と DP2m (換算 45mm)も注目されています。フォーマットサイズが大きいだけでなく、撮像センサーの描写特性がかなり個性的なのが特徴です。
 一眼レフの SD-1 が発表されたときは、推定売価の高さばかりが話題になりましたが、Merrill シリーズになってからは、独特の描写が注目されるようになりました。同じセンサーなのに DP シリーズの評価が高いのは、単焦点レンズ一体型だからでしょうか?

 極めつけは、フルサイズセンサー搭載のソニー DSC-RX1 です。ツァイスの単焦点レンズを採用しただけあって、並みの一眼レフよりも写りがよさそうとの前評判です。推定売価 25 万円前後というのも世間を驚かせました。ミラーレス機よりも高いコンデジが出るという話題性は、カメラ全般に消費者の目を向けさせるいいきっかけにはなったみたいです。

 とはいえ、これをひとくくりにコンデジの仲間に入れてしまうのは、ちょっともったいない気がします。レンズが外れるとか外れないというレベルで、「外れないからコンデジ」というのは、かなり乱暴な分類の仕方です。そろそろ製品価値に相応しい新しい呼び方を考えたほうがよさそうな雰囲気です。
 それにしても機種名の頭は「サイバーショット DSC」以外に案がなかったのでしょうか? いっそのことツァイスから CONTAX ブランドで出したほうがよかったのでは?
 そう思っているのは旧タイプ人間だけで、海外では SONY ブランドのほうがカメラとしての認知度が高いんでしょうね。コンデジのサイバーショットでいいのかも・・・
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