2012/11/06(火)安くなければデジタルじゃない?

 カメラに限らずアナログからデジタルに変わったものは、いくらでもあります。レコードが CD になったのは、デジタル写真の黎明期によく語られました。いまでもレコードはありますが、比率は問題外の世界です。そんな中で、アナログとデジタルが共存している商品があります。時計です。

 「デジタル腕時計なんか扱うもんじゃない」・・・お袋の言葉です。子供のころ、両親は時計屋をやってました。当時のデジタル式腕時計は、物珍しさもあって高嶺の花でした。液晶表示の腕時計です。それが液晶のコストが下がると暴落します。大損した同業者は多かったとか・・・
 パソコンのモニターやパネル型テレビも同様です。日本の家電メーカーもこれでハマリました。企業の存亡にかかわる事態にまで至っています。

 少し前に話題にしたデパートの1万円均一セールですが、フィルムカメラではろくな機種がなかったのに、デジカメで商材に事欠かないのはなぜでしょうか? 撮像センサーを内蔵しているのに、フィルムが別売のカメラより安くできるのは不思議です。
 答えはレンズなどのパーツ価格です。フィルムカメラは、コンパクトタイプといえども 35mm フルサイズでした。たとえ2倍ズーム程度でもそこそこのレンズが必要です。それに対して 1/2.3 インチの撮像センサーは、レンズのコストが格段に安くできます。しかも、それ以外は電子部品の寄せ集めです。

 こうしてみると、フォーマットサイズの小さいミラーレス機や高級コンデジは、価格設定が高いように感じます。もちろん営利事業だから、付加価値の取れるところで稼ぐのは当然でしょう。ただし、それが日本のメーカーが市場を独占していることにあぐらをかいている結果だとしたら、パネルテレビや半導体の二の舞になるかもしれません。

 最近ではダブルレンズセットのミラーレス機が 29,800 円で売られるのも珍しくなくなりました。フィルム時代にもサードパーティーのダブルズーム付きで 29,800 円の一眼レフセットがあったから、驚くほどのことではありませんが・・・
 フォーマットサイズが 4/3 インチやそれ以下と小さいので、レンズのコストは安いはずです。儲からないとしても損はしていないでしょう。発売時の価格設定は、いったい何だったんでしょうね。デジカメがイマイチ信用できないのは、すぐに値崩れする価格設定にも問題がありそうです。
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