2012/11/16(金)シャッターから駆動部分がなくなる?

 フィルムの時代から、未来のカメラはどうなるのか想いをめぐらしてきました。当時はフィルムがデジタル撮像素子に変わるという発想がなく、無粒子フィルムや超高感度フィルムを想定していたと記憶しています。メーカー試作の未来を予測したカメラもそういう類のものでした。

 超高感度で無粒子に近いフィルムができれば、フォーマットサイズが小さくでき、シャッター速度と絞りが自由に選べる可能性が出てきます。当時は感度が自由に変えられるようになるとは思いもよらなかったので、シャッター(遮光)幕の透過率を無段階に変えることを考えていました。
 液晶シャッターみたいなものです。受光体はあくまで超高感度フィルムだから、常時完全に遮光するのは難しそうだと、真剣に悩んだものです。

 デジタル時代の到来で、フィルムはアッ!と驚く撮像センサーに変わりました。小型映画がビデオに変わったことで、途中からは予測できたはずだから、ちょっと大げさですが・・・
 撮像センサーから直に画像データを読み出す電子シャッターが現れます。自動露出を可能にした電子制御のフォーカルプレーンシャッターと紛らわしいので、ここではローリングシャッターと呼びます。

 読み出し速度の関係で、動く被写体が変形するのが欠点です。これはフォーカルプレーンシャッターも同じことで、回転する飛行機のプロペラが変形して写るのは、よく知られた現象です。ローリングシャッターは、それが顕著に現れます。
 最近になって、撮像センサー全体の画像データを瞬時に取り込めるグローバルシャッターが注目されています。動く被写体の変形がなく、ISO 感度の自動シフトと併用することで、ある程度自由な露出の組み合わせが可能になります。

 最終的には、カメラから駆動式のシャッター機構は姿を消すと思います。物理的な制約から解放され、電子的な制約を克服していくことで、連射速度の高速化は一気に進むと予測します。
 トランスルーセントミラーテクノロジーは、まだ序の口の技術なのかもしれません。グローバルシャッターが一般化する時代がきても、まだミラーだけがパタパタする光学式ファインダーが主流派で残っているのでしょうか?
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