2016/05/12(木)舞台写真の立ち位置

 写真スタジオの社長に頼まれて、長唄小唄の舞台写真を撮りに行った会場は、地元の市民ホールでした。600 名ほどの収容人数で、二階席がない造りです。撮影ポジションは、中ほどで会場を横切る通路に決めました。

 ビデオ屋は、その通路の前席でセンター位置に構えています。PA は通路のすぐ後ろの席で、センターを外して陣取っていました。店のスタッフは PA の隣のセンター位置にカメラを据えました。私は、通路の左手にある車椅子用のスペースの中で、センター寄りの場所を借りてカメラを据えることにしました。

 少し前にテレビで長唄の舞台中継を見る機会がありました。囃子方と唄いは舞台の向かって右袖で、踊りがメインの舞台でした。今回は個人的な趣味で長唄小唄と民謡をやっている会なので、テレビ放送の古典芸能とは勝手が違います。

 センター位置は、マイクと唄い手の口が重なって、アップにしたときに表情が写しきれません。舞台全景はスタッフに任せ、私は唄い手の全身と七分身を中心に押さえることにしました。

 テレビ放送のイメージが頭にあったわけではなく、車椅子用のスペースがたまたま舞台に向かって左寄りにあっただけのことです。でも本来は右寄りから写すのがセオリーです。

 「酸化セリウム」の先生によれば、日本人の大半は右利きなので、画面は右から左に流れるほうが自然なんだとか。ということは、写真上で被写体が向かって左を向いているほうが自然、ということになります。そういえば写真館のスタジオ写真は、その形がほとんどですよね。

 それでも今回は、このポジションを選びました。趣味の会の公演では、開演中に席を立つ人がいるし、通路をひっきりなしに人が通ります。目の前の席にバッグをひとつ置いておくだけで、視界がほぼ確保できる場所を優先したわけです。(正解でした)
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