2016/11/23(水)「琥珀にんにく」もどきができた

 完熟の黒ニンニク以上に S-アリルシステインの含有量が多いとされている「琥珀にんにく」作りに挑戦中です。

「約360時間(2週間)じっくりとていねいに低温熟成させて完成した」というフレコミを信じて、通常の黒ニンニク作りよりも低い温度で実験してみました。

 55 度の「低温」で2週間かけて自己発酵させました。普通の黒ニンニクは 70~80 度の温度で、湿度を 70~80% と高めに維持して乾燥を防ぎながら熟成させます。

 温度について確証がなかったので、途中の8日目にサンプル用の鱗片を取り出して試食してみました。芽止めのため事前に冷凍保存したせいか、外側の皮との間に隙間があいていてスンナリむけました。自己発酵が進んでいて、確かに琥珀色に色づいています。

 試食した感じは、黒ニンニクのような甘酸っぱさはなく、かといって生のような強烈な臭いや刺激もありません。食べておいしいといったものではなかったです。

 とりあえず実験はそのまま続行することにしました。そして実験を開始してから2週間後に、保温庫の上段と下段からサンプルの鱗片を取り出しました。

 上段は初めから 55 度で、下段は1日だけ電気釜で加温してから保温庫に入れたものです。目で見た感じでは、予想に反して上段のほうが色が濃かったのですが、上段と下段で温度と湿度が微妙に違うせいかもしれません。(上段のほうが温度が高くて湿度が低い?)

 途中の8日目に試食したのと似たような味です。ニンニク特有の臭いはほとんどしませんが、黒ニンニクよりは臭いが残っている感じです。

 ニンニク大好きの「酸化セリウム」の先生や知り合いに配るために、下段のものをすべて保温庫から出しました。上段のほうはそのままにして、黒ニンニクになるまでに何日かかるかテストしてみることにします。

 今回の実験で感じたことは、「琥珀にんにく」の製法は 55 度よりもう少し低い温度(50 度くらい?)ではないか、ということです。45 度以上であれば、少なくともカビの発生は防げます。

 実験に使ったペルチェ式の温冷蔵庫は、冷蔵温度は加減できますが、保温モードは 55 度に固定されます。2週間も湿度を高めに維持しながら温度を 50 度にコントロールするのは、ちょっと無理ですね。

 公開されている「琥珀にんにく」の熟成グラフでは、S-アリルシステインの含有量が急上昇し、2週間を過ぎたあたりをピークに、徐々に低下しています。

 琥珀色に近いのは8日目のほうですが、熟成が進んでも急激に低下しないのであれば、見た目の色よりも2週間という時間を優先したほうがよさそうです。

 「琥珀にんにく」もどきを作ろうと思いたったのは、生のニンニクより臭いが少なくてポリフェノールなどの有効成分が多ければ、抵抗なく料理に使えると考えたからです。

 黒ニンニクの味では使える料理の幅が狭くなります。熟成の途中では黒ニンニク特有の甘酸っぱさがないのは意外でした。これならあらゆる料理に使えそうです。
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