2018/03/14(水)底が浅い廉価版の防犯カメラ_2

 購入した PoE 8CH NVR は、サポート拠点が日本国内にもあるのが売り文句です。普通に日本語が通じるから、問い合わせはそちらにしてみました。でも、日本語がわかるというだけで、製品に対する知識がないのか、いつも本国からの返事待ちです。しびれを切らして中国に直接問い合わせてみたら…

 日本向けのカメラには PTZ 機能がないので NVR から削除した、との返事がきました。PTZ を外したのは市場調査の結果だそうです。「包装箱は他の国の商品と共用で中身の商品の機能と違うところがある」と言います(そりゃいかんでしょ)。日本向けの化粧箱は改善するそうです。とりあえず姿勢は前向きですね。

 いままで使っていた 4CH NVR 2台のうち1台は、実家のセキュリティー強化に回すことにしました。移設する前に、それまで利用していなかったリモコンに電池を入れてテストしてみました。予想通り 4CH 2台とも作動します。同じメーカーだから共通なのは当然です。ところが、メーカーが違う 8CH NVR まで作動したのにはビックリです。元々リモコン付ではないのに、フロントマスクをよく見ると赤外線センサーの窓がついていました。(なんじゃこりゃ!)

 違うブランドで売られていても、この手の廉価版 NVR は生産工場が同じとみえて、ハード的には似たり寄ったりの作りです。バリエーションがいくつもあるみたいで、細かい諸元は異なりますが、基本的な構造は同じです。接続端子が同軸ケーブルを使う AHD タイプか、LAN ケーブルを使う IP タイプかの違いくらいです。

 前から使っていた 4CH NVR と、今回購入した 8CH NVR を同じハブに接続したところ、9画面表示の 8CH のほうにいきなり 4CH NVR に接続したカメラが表示されました。レコーダーに設定した ID やパスワードは関係なしです。「できるだけ早くパスワードを変更」と説明書にあるのは、何のためだったんでしょうね。モード変更や再起動するたびに入力を要求されるのに、外部のアクセスからカメラを守る機能はないに等しい設計です。

 NVR に内蔵の RJ45 接続端子はスイッチングハブと同じ働きをするだけのようです。商品レビューで、「接続端子の番号どおりの順番で画像が表示されない」といったコメントをたまに見かけます。ハブの端子のどこに繋いでも関係ないのと同じだから、文句を言っても始まりません。普通は外部にある PoE スイッチが、たまたま NVR にくっついているだけの話です。

 同じ IP セグメント上の LAN 環境に接続された IP カメラであれば、NVR に登録してモニターに表示することができます。画像を表示するだけでなく、NVR に内蔵の HDD で録画や再生も可能です。カメラに電源供給ができれば、NVR の PoE 端子に直接つなぐ必要はないわけです。ある程度 LAN や IP の知識があるなら、廉価版 NVR は録画機能内蔵の安くて便利な簡易サーバーと言えなくもありませんが…

 外出先からスマホで確認…なんてことを考えなければ、インターネットと遮断された LAN 内で運用するのが賢明な選択です。いわゆる二重ルーター環境です。セキュリティー強化と言いながら、防犯カメラがセキュリティーホールになっては本末転倒です。廉価版の防犯カメラキットで、クラウドを利用する P2P なんて、玄関を開けっぱなしにするのと大差ないのかもしれませんね。
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