2019/07/06(土)スマホでキャッシュレス決済

 今月スタートしたばかりのセブンペイで不正アクセスが発生し、実害まで出て大問題になりました。消費税増税を控え、各社がキャッシュレス決済を進める中でのトラブルに、セブンイレブン以外にも衝撃が拡がっています。セブンペイとはどういうシステムなんでしょう?

 日本独特のキャッシュレス決済で「おサイフケータイ」というのがあります。ガラケー全盛時代から続く方式で、NTT ドコモとソニーが開発しました。普及させるために他社にもライセンス供給されていて、au やソフトバンクでも利用できます。対応しているのは、非接触型の FeliCa チップを搭載した機種です。

 Suica などのキャッシュレスカードもこの方式です。事前にお金をチャージしておいて利用する際にキャッシュレス決済します。その機能がケータイやスマホに内蔵されていると思えばいいでしょう。私のケータイやスマホにはこの機能はないから「おサイフケータイ」じゃありません。

 中国で爆発的に普及したキャッシュレス決済は、スマホを利用します。「おサイフケータイ」でもないのに決済できるのは、アプリと QR コードを使う方式だからです。駅の改札みたいに歩きながらピッ!というわけにはいきませんが、売買代金の決済は QR コードを読み取るだけで完了します。セブンペイはこの方式です。

 セブンイレブンには nanaco というキャッシュレス決済できるカードがあります。Suica や ICOCA と同様 FeliCa チップを内蔵したカードです。もちろん「おサイフケータイ」に nanaco アプリを入れても同じように使えます。ではなぜわざわざセブンペイを追加したのでしょうか?

 ちょうど同じ時期に競合相手のファミリーマートがファミペイをスタートさせました。同じ方式のキャッシュレス決済です。初日の7月1日は、どちらもアクセスが集中してアプリがつながりにくい状態だったそうです。おサイフ機能や入会金なしで、どのスマホでも利用できるからでしょう。これが普及すれば将来の省力化につながる可能性大です。

 競合他社に後れをとるわけにはいかない… そんな焦りがセキュリティーの脆弱性につながったのかもしれません。簡便で利用しやすいのとガードの固さは相反します。今回のトラブルで、セブンペイは消費税増税時のポイント還元対象から一旦保留となったようです。PayPay や LINE Pay などが乱立するなか、スタートでつまずいた(というかコケた)のは痛かったですね。
OK キャンセル 確認 その他