2021/03/03(水)春の始まりは雛まつりから

 昔から「暑さ寒さも彼岸まで」と言われています。春分の日を過ぎれば寒さも和らぎ春らしい気候になるという意味です。確かにそうですが、では早春はいつごろからを指すのでしょうか。

 二十四節季の立春は、節分の翌日です。この頃から雛まつり頃までを早春とするのが一般的みたいです。今年は一日ずれて2月2日が節分でした。実に 124 年ぶりだとか。

 まだ寒い日が多いけど、たまに寒さが緩むときがあって、春が近いと感じる暖かい日が増えてきます。早い春だから早春なわけです。本格的な春の始まりは雛まつり頃からとみていいでしょう。

 銀塩写真全盛の時代に、ある写真屋のオヤジ(失礼、ご主人)が「雛まつりを過ぎると人の動きが活発になる」と言ってました。子供の行事の雛まつりは格好のシャッターチャンスです。DP の増加を肌で感じてそう言ったんでしょうね。

 雛まつりは別名「桃の節句」とも言いますが、これは旧暦時代の名残です。桃の花が咲くのはもっと先です。元々は「上巳の節句」でした。弥生の最初の巳(上巳)の日のことで、年によって日にちが変わります。

 3月3日に決めたのは徳川幕府でした。その年の上巳の日が3日だったんでしょうね。明治になって、旧暦の3月3日にしとけば「桃の節句」でいけたのに、新暦の3月3日にしたから変なことになりました。

 「上巳の節句」も「桃の節句」も新暦の現代にはそぐわない言い方です。やはり3月3日は「雛まつり」ということにしときましょう。

 ところで、3日を過ぎたら雛飾りを早く片付けないとお嫁に行けなくなる、なんて言い伝えはフェイクだそうです。後片付けを促すための方便で使われたようです。雛まつりは女児のしつけの機会でもありました。

 天気が悪くて片付けそこなったら、旧暦の3月3日まで飾っておきますか。ちなみに旧暦の3月3日は、今年は4月 14 日です。そのころには桃の花も咲いてることでしょう。
OK キャンセル 確認 その他