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2008年02月13日の記事

2008/02/13(水)集合写真 その4

 身内の結婚式のときの話です。そこの一番上の娘が今年成人式だったので、もう20年以上も前のことです。都内の教会で挙式しました。当時は、いまみたいにあちこちに挙式専門のチャペルなどなかったので、本物の教会で式を挙げました。列席者で賛美歌を歌えるひとは、いなかったですね。

 集合写真は、教会の中でした。地元の写真屋さんらしい年配のおじさんが、撮影を担当しました。カメラはマミヤプレスでした。写真屋さんが集合写真によく使うタイプです。「引き」があまりなかったので、レンズは65mmだと思います。6×9判ですから、かなりワイドなレンズです。20年以上前といっても、もうすでに珍しくなったフラッシュバルブを使っていました。マグネシウム入りの球です。「プリントごっこ」を使ったことのあるひとなら知ってますよね。
 よく見るとシンクロコードがカメラに差さっていません。教えてあげようかナ、と思いましたが、スカでもフィルム1枚ダメになるだけです。「ハイお撮りします、動かないでください」と言ってシャッターを切りました。ちゃんと光るではありませんか! (余計なことを言わなくてよかった…)

 ハンドシンクロという技法です。スローシャッターにしておいて、シャッターを切ってからフラッシュバルブを手動で発火させるやり方です。(よい子はマネをしないでください)
 多分、その写真屋さんは、そこの教会で撮り慣れているのでしょう。あとでもらった集合写真は、後ろに見事なステンドグラスが神々しく輝いてました。教会内部も写っていますが、同じ明るさではステンドグラスが壁画みたいになってしまいます。壁よりも明るく描写することでステンドグラスの透明感を出したわけです。ひとつ間違うとステンドグラスの色が抜けてしまいます。いかにもプロ!という仕事でしたね。

 こういう写真は、場数を踏んだひとにしか撮れません。いくらウデ自慢のアマチュアでも一発で決めるのは無理でしょう。フラッシュバルブと違ってストロボはシャッター速度に左右されませんから、自然光との比率計算は単純ですが、スローシンクロは結構難しいテクニックです。カメラをオートで使っているうちは、こうしたテクニックとは無縁です。
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