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2009年09月08日の記事

2009/09/08(火)ポケット判の一眼レフ(2)

 PENTAX auto-110 が「世界で唯一」というのは、レンズ交換式では・・という注釈つきです。
 110フィルムを使う一眼レフは、auto-110 のほかにもありました。ミノルタの 110 ZOOM SLR と 同 MarkⅡです。どちらもズームレンズ固定式の一眼レフでした。

 デザインは、110 ZOOM SLR が一般的な110カメラと同様の平型タイプ、110 ZOOM SLR MarkⅡが 135SLRに近い形を採用していました。名前は似ていますが、まったく違うデザインです。
 レンズは、Ⅰ型が 25-50mm F4.5、Ⅱ型が 25-67mm F3.5 です。135換算だと約2倍になるので、短焦点側は 50mm相当になります。ワイド側に弱いのは、どちらも共通していました。

 ミノルタの 110 SLR は、どちらも本格的な一眼レフでした。110カメラでここまでやるか・・という凝った作りです。当時のカメラ・レンズ設計者の技術力の高さと意地のほどが偲ばれます。
 それでも 110判は、135フルの約1/4の面積しかありません。いくら精巧なカメラでも、粒状性では135判には かないませんでした。やがて市場から姿を消すことになります。

 110判に続いて登場したディスクカメラは、早々に製造中止に追い込まれました。110判より小さい 8.2x10.6mm では、L判でも粒子が粗く、とても見られたものではありません。
 フィルム時代は、フォーマットサイズが小さいことが「致命傷」となりました。

 この間、ハーフ判と110判の一眼レフを話題にしてきたのは、フォーマットサイズがそれぞれ APSCとフォーサーズに近いからです。当時の設計思想が現在でも活用される素地は大いにあります。
 MINOLTAとPENTAXは、別の会社に吸収されましたが、その技術を受け継いだ企業がこの資産を活かしてくれれば・・と思います。

110 ZOOM SLR MarkⅡの詳細はコチラを参照
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