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2009年09月14日の記事

2009/09/14(月)映画の撮影用はネガフィルム

 135フィルムは、ライカが 35mm幅の映画フィルムを流用したことに由来するのは、有名な話です。35mm映画(24x17mm)の2コマ分を使って、24x36mmで使いました。

 映画用のフィルムはリバーサル(透明陽画)だと思い込んでいる人がいますが、実は撮影用の映画フィルムはネガです。ネガ原板から転写して、映写用の透明陽画フィルムを量産していました。
 すぐに結果を見るために、簡易に透明陽画にすることを「ラッシュにかける」と言います。実際に映写するフィルムよりも安価なラッシュフィルムを転写に使いました。

 メーカー系総合ラボが全盛の時代に、135ネガからラッシュフィルムに転写するサービスがありました。現像に出すと、ネガとポジが同時に手に入ります。プリントしなくても画像が確認できるだけで、リバーサルフィルムで撮影するのとは画質が違います。現像料が割高なこともあって、すぐに姿を消しました。

 一般ユーザーがラッシュフィルムを目にする機会があるとしたら、香港など観光地で土産物として売られていたスライド写真です。ネガ原板から大量に複製できるから、値段は安かったですね。リバーサル原板からデュープリケーティングフィルムで複製したら、高いものにつきます。

 小型映画フィルムには 16mm幅もあります。16mm映画フィルムを利用したのは、ミノルタ16などの豆カメラだけではありません。ダブルエイト(W8)と呼ばれた小型映画用カメラにも使われました。(16mmとW8ではパーフォレーションが異なります)
 短く切ってリールに巻かれた16mmフィルムを暗室で装填します。片側半分を使って撮り切ったら、暗室で反転させて残りの片側半分を撮ります。現像に出すと真っ二つに裁断してつないでくれます。8mm映画として映写しました。25フィート×2で 50フィート、約4分です。

 16mmフィルムは、そのほとんどが製造中止になりました。業務用のムービーがビデオシステムに替わってしまったからです。W8はスーパー8やシングル8よりも前の規格で、すでに需要はありませんでした。
 最後までW8カメラを使っていたのは、自動織機など高速で動く機械のムーブメントを点検する会社くらいです。中古を探しては使い続けていたようですが、フィルムがなくなっては、どうしようもありません。(欧州で供給しているメーカーがあるらしいですが・・)
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