2009/10/31(土)ブロニカのベローズ

 最初に使った中判カメラのブロニカS2には、アオリ機能がついたベローズがありました。アオリ機能なしの小型ベローズと比べて、やや大ぶりで重量もありますが、アオリができるのが魅力でこちらのタイプを購入しました。

 蛇腹の畳み部分があっても無限遠にピントを合わすことができます。ブロニカのレンズは、ピント合わせのためのヘリコイドユニットが別になっています。このヘリコイドユニットを外して、ベローズと交換することで、無限遠までのピント合せが可能になりました。

 無限遠のときは、ベローズが一番縮んだ状態なので、当然ながらアオリはできません。ティルトで無限から近距離までピントを合わせたり、建物の歪みを矯正したりすることは無理でした。
 アオれるのは、蛇腹が繰り出されているときだけです。主に近距離のブツ撮りの場合だけですが、スウィング・ティルト・シフトができたのは便利でした。

 かなり大きなアオリができたので、その機能を活かそうと思うなら、専用の交換レンズではなく、フィールドカメラのレンズを使ったほうがいいと思います。専用レンズでは、イメージサークルが小さいからです。
 残念ながら、このベローズに他社のレンズを付けるアダプターは、ブロニカからは出ていません。ただし、専用のリバースリングを使えば、フィルター径67mmのレンズを逆付けできます。あとはステップアップ(ダウン)リングで合わせます。

 撮影畑の写真屋が、どうしてもこのベローズが欲しいというので、カメラごと一式で安く譲りました。そろそろ飽きがきていたことだし、撮影の仕事で役に立つなら、そちらのほうがカメラにとっても幸せです。
 手放した途端に、次の中判カメラが欲しくなるのは、病気かサガか? カメラ遍歴は続きます。

ゼンザブロニカの詳細はコチラのサイトを参照

2009/10/30(金)買い逃がしたハッセル

 中判のカメラは、いままでに何台も使いましたが、ハッセルは1台も買いませんでした。ずーっと気にしていたカメラですが、きっと縁がなかったんでしょう。

 同世代だと、最初に使った中判カメラは「フジペット」という人がいるかもしれません。トイカメラですが、ブローニーフィルムを使ったシックス判でした。
 私が一番初めに使った中判は、ゼンザブロニカのS2です。フォーカルプレーンシャッター内蔵のシックス判一眼レフです。学生時代に「酸化セリウム」の先生から、借金のカタ代わりに譲り受けました。レンズは、ニッコール75mm F2.8と50mm F3.5の2本付きです。

 1年ほど業界紙の記者をやったときに、このブロニカを使いました。取材先のなかには大手企業の経営者もいて、「ほーブロニカか、写りはどうだね」と聞かれたことがあります。
 「まあまあです」と答えたら、自分はハッセルを持っていると言います。香港で安く買ったが、レンズ3本ついて150万円くらいしたとか・・・
 詰まる話が、自分はハッセルを持っている!・・ということを自慢したかったんでしょうね。このとき以来、ハッセルというブランドには特別な感情を持つようになりました。一種のトラウマですね。

 いままでに何回も「ハッセルを買わないか?」という誘いがありました。いつかは買うつもりだったので、乗り気だったのですが、その都度チャチャが入ります。
 「あのボディーは使い倒しているからやめといたほうがいい」とか、「コマーシャル流れを使ってたらしい」とかいう情報が耳に入ります。

 一生ものと言われる人気のカメラが売りに出されるときは、たいてい何か事情があると踏んだほうがよさそうです。ハッセルは、コマーシャルスタジオなど業務用途で使われることが多かったので、出所をきちんと確めないと後から修理代で泣くことになります。
 酸化セリウムの先生みたいに、借金のカタというなら買いですが・・・

2009/10/29(木)ハッセルブラッドの魅力

 135カメラのステータスがライカなら、中判カメラはハッセルブラッドでしょう。精巧なボディー、描写力のあるレンズ、名実共に高い評価を得ています。現行機種だけでなく、古い機種に人気があるのも共通点です。

 ハッセルは、スウェーデンのビクターハッセルブラッド社が製造しています。
 なぜスウェーデン?という疑問には、第2次世界大戦が深く関係しているようです。ドイツからカメラの輸入が途絶え、撃墜したドイツ軍機から回収した空撮用カメラをもとに開発されたのが、ハッセルブラッドの原型と言われています。

 大戦後に発売された1600F型から一貫して、6x6cmのシックス判を採用しています。1977年からはフォーカルプレーンシャッターを採用した2000FCを投入しましたが、一番馴染みの深いのはレンズシャッター式の500Cシリーズです。
 500C/Mは、のちに復刻版が出されたほどで、ハッセルを代表する機種でした。アポロに搭載されて月まで行ったのは、70mmマガジン付のモードラ機で特別仕様です。

 ハッセルのボディーが精巧で堅牢なのは、スウェーデン鋼を使っているからだと言われています。一つひとつ手作り感覚のメカニズムに、魅力を感じるファンは大勢います。
 もうひとつの魅力は、カールツァイスの交換レンズです。ライバルのローライと違い、T*マーク入りの純正レンズが揃っているのが絶大な支持を集めました。

 一番あとで出された中判カメラは、シックス判ではなくてセミ判です。H1は FUJIFILMのGX645AFと同一品です。レンズもツァイスではなくて FUJINON-HCを使います。
 日本国内では FUJIFILM、海外では HASSELBLAD として流通しているようです。ハッセルファンの中には、わざわざHASSELBLADの銘が入ったボディーを輸入して使っているいる人もいるとか・・・
 レンズは国内流通のFUJINONを使うのが通のやり方なんだそうです。ツァイスじゃなくて富士が供給元だからでしょう。
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