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2012年05月15日の記事

2012/05/15(火)水星はなじみのない惑星

 金星より水星のほうが日面通過の回数が多くなります。軌道が太陽に近いのと、公転周期が短いのがその理由です。百年の間に十数回の割で起こりますが、視直径が小さいので感動はいまひとつです。金星の 1/6 くらいですか。小さな黒点と見分けがつかないかもしれません。

 そもそも水星を見たことのある人は少ないと思います。一般の人はもちろん、天文ファンでも見た経験のない人は大勢いるはずです。一説では、かのコペルニクスも見たことがなかったとか・・・
 理由は太陽に近すぎるからです。水星と金星の軌道は、地球の軌道よりも内側にあるので、太陽からそんなに遠く離れて見えない惑星です。木星や土星みたいに、真夜中に見えることはあり得ません。

 金星の最大離角(太陽との角度)が 48°あるのに対し、水星はわずか 28.3°しかありません。これは太陽から最も離れたときの角度です。しかも地平線と垂直方向に離れるとは限らず、水平寄りの方向に離れた場合は高度が上がらないことになります。

 太陽が地平線に沈んでから 30 分経過すると、さらに 7°ほど低くなります。ここから次第に空が暗くなる 30 分以内が勝負です。一般的に最大離角のときでも、地平線から 5~10°くらいで見えることが多いようです。よほど開けた場所でないと見えない星です。
 明るさはほぼ0等級ですが、地平線(水平線)付近は大気の影響が厳しい場所です。双眼鏡を用意したほうがいいでしょう。

 皆既日食のときに太陽からある程度離れていれば、見える可能性が大です。皆既中の時間は短いから、水星なんぞ見て喜んでいる暇はないと思いますが・・・
 来週の金環食は、月の周りから太陽光が漏れるので望み薄です。
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