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2012年05月20日の記事

2012/05/20(日)3色カラー分解の話

 デジタル黎明期には、商品撮影する場合、モノクロセンサーにカラー分解フィルターをかけて多重露光をしていました。ドラム式スキャナーと同様、業務用途はクォリティーが第一です。モデルなど動く被写体には使えませんが、ブツ撮りで高画質を得るには有効な方法でした。

 先日発表されたライカMモノクロームは、モノクロ写真専用機です。ではカラー写真が撮れないかというと、そんなことはありません。もちろんカメラ本体にはその機能はありませんが、三色分解フィルターをかけ、最低3回露光して合成すれば、カラー画像が得られるはずです。
 カラー分解には市販の BP(バンドパス)フィルターを使います。単純に、赤・緑・青の3種類です。かなり濃いフィルターです。フィルターの露光倍数や各色の露出をどうするかなど、結構複雑な要素が絡んできます。画像処理するソフトによっても違ってくると思います。

 もしカラーフィルムと BP フィルターを使って三色分解する場合は、フィルターの露出倍数を加味した適正露出の 1/3 で、3回多重露光すれば、フィルターなしと同じ結果になるはずです。ところが・・・
 実際にはカラーバランスが崩れます。たいていは赤っぽい画になるようです。おそらく G の要素が足りないからだと思います。カラーフィルムの感色性は、人間の色感覚に近づけてあるので、理屈の上では均等に 1/3 ずつ露光すればいいはずですが、そうならないのが三色分解の難しいところです。

 モノクロセンサーは、人間の色感覚など考慮されていないので、三原色を均等に露光すると G の要素が不足します。1/3 ずつではなくて、G を 1/2 にすれば、ベイヤー配列と同じ比率になります。(実際の配分比率は別)
 このあたりは画像処理ソフトによって違ってくると思われます。いずれにしても、普通のカラー写真が欲しいのなら、こんな面倒なことはせずに、市販のデジカメを使えばいいことです。わざわざモノクロセンサーで三色分解するのは、普通の発色ではない画像を得るのが目的です。
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