2012/06/15(金)カメラとレンズはどちらが大事?

 フィルム時代の撮影機材選定は、カメラよりもレンズを重視していました。ミラーが上がり、シャッターが開けば、カメラはただの暗箱です。レンズとフィルムの間には空気以外の何もありません。どのレンズを使い、どのフィルムで撮るかが問題でした。あと、現像と・・・

 使ってみたいレンズがあると、そのためにボディーを1台買ったものです。マウントが違えば互換性はないから、そうするしか仕方なかったわけです。その結果、いろんなメーカーのマウントが混在することになりました。あまりご縁がなかったのは、オリンパスとキヤノンですが、たまたまそうなっただけのことです。(と言いつつ深いワケが?)

 デジタル時代になって、カメラにフィルム(じゃなかった、撮像センサー)が内蔵され、どのカメラを使うかが大事な選択項目になりました。画素数だけでなく、フォーマットサイズもいろいろあります。家電製品みたいに機種がコロコロ変わるし、やっとその気になったころにはディスコンです。
 個人的には、義理でコニミノのナナデジを買って以来、パッタリとカメラ道楽は止まったままです。実用上、それで十分だからですが、何となくフィルムの余命が見えてきた今日このごろ、そろそろ次のステップに進まないといけないような気がしてきました。

 レンズ資産を活かすならフルサイズのデジイチがいいように思いますが、そうなると機種が限られます。ニッコールは Ai 以前の爪式のままのがある状態だし、ミノルタはソニーのα900 を買い逃してしまいました。中古を探したところで、ライブビューができないから、MF でも使い物にならないレンズがありそうです。
 67、645 を含めれば、レンズが一番ゴロゴロしている PENTAX は、フルサイズの噂すらありません。「諦めたわけではない」というオフレコはあるようですが、どうですかね。
 ヤシコンのツァイスレンズを使うために、EOS 5Dx とアダプターを買うのはもったいない気がします。キスデジは APSC だし・・・

 そんなこんなで、次期デジイチの購入は深い無限ループに落ち込んだままです。デジイチは APSC でいいと諦めて、ワイドズームを1本買い足せば済む話ですが、それならナナデジのままでもいいような気がして堂々めぐりです。
 安いミラーレス機を買って、マウントアダプターで遊んでいるうちに、次が見えてくるかもしれませんね。(それがいいかも)

2012/06/14(木)ズームレンズの利点と欠点

 焦点距離(画角)が無段階に変えられるズームレンズは、確かに便利です。いまでは単焦点レンズよりもたくさん売れるから、普及型の標準ズームだと単焦点よりも安いくらいです。カメラとセットで買うと、数千円相当なんてこともあります。

 一般的な記念写真であれば、これで十分でしょう。何か特別な目的でもない限り、交換レンズを追加することがないから、買ってそのままという人が多いのも肯けます。レンズ交換ができるカメラを買ったという満足感ですね。
 広角側を含む標準ズームと望遠ズームの2本あれば、たいていの撮影は間に合います。Wズームというやつです。広角から超望遠までをカバーする高倍率ズームもあります。こちらはちょっと大ぶりですが、レンズ交換せずに1本で済むのが特徴です。

 高倍率ズーム固定式のカメラは、日本国内ではあまり人気がないようですが、欧米ではよく売れているそうです。レンズ交換しないのなら、小型軽量で価格的に安いほうがいいという合理的な考え方です。
 実際には撮像センサーが小さかったり、ステップズームだったりして、レンズ交換式とは作りが違いますが、型落ちだと1万円前後で売られていることもあります。コンデジ感覚ですね。

 汎用レンズとしては手ごろで便利なズーム式ですが、作品志向のアドアマ層には評判がよろしくないようです。単焦点レンズと比べて、明るさも画質も見劣りするからです。ズーム式にそこそこのスペックを求めると、大きくて重くて高くなります。
 個人的には、望遠系はズーム式でもいいように思います。200mm 以上は単焦点レンズでも暗いし、歪曲収差や周辺減光も気になるほどではないからです。遠くの被写体を撮る場合は、ズームを使ってフレーミングしてもメタボな撮り方とは言えないし・・・

 単焦点に見劣りするのは、やはり広角側です。強い樽型のディストーションと周辺光量不足は、作画にもろに影響します。中望遠を含む標準ズームで、ワイド側に欲張ったものは、この傾向が顕著です。広角端はオマケ程度に考えたほうがいいかもしれません。
 ワイド側を重視するなら、広角系のズームです。1本で広角・標準・望遠をカバーしようというのは、もともと無理があります。それか、単焦点の超広角を追加して、足りない分をカバーするかのどちらかでしょう。

2012/06/13(水)直進ズームと回転式

 フィルム時代の一眼レフ用ズームレンズには、ズームリングを回す回転式のほかに、フォーカスリングを前後して大きさを変える直進式(摺動式)がありました。どちらも一長一短です。
 ご多分に漏れず、どちらがいいかの論争が、カメラ雑誌などに掲載されました。古くは「バヨネットマウントかスクリューマウントか」、「開放測光か絞り込み測光か」、「絞り優先かシャッター速度優先か」なんてのもありましたね。

 オートフォーカスになる前は、直進式が多かったように思います。ピント合せとズーミングの二つの操作を一つのリングでできるのは、速写性があって便利でした。摺動部分が複雑で、コスト的には回転式より高くついたみたいです。それでもスナップ写真やスポーツ写真の愛好家は、直進式を支持していました。

 カメラを三脚に据えてじっくり撮る風景写真では、直進式のメリットは少なかったと思います。マクロ撮影のときに、レンズの重みで勝手にズーミングしてしまうなど、デメリットのほうが目立ちました。
 最長側にして机の上に立てると、自動的に最短側にしぼんでしまうレンズもありました。逆に、肩からカメラを下げていると、知らない間にレンズが伸びきってしまいます。ロックボタンを付ければいいという問題ではないような・・・

 一眼レフの AF 化で、ピントリングを回す必要がなくなりました。手で操作するのはズーミングだけです。直進式にする利点がなくなり、回転式に統一されました。
 ズームレンズを使うなら AF 機という考えがあって、MF ズームは2本残っているだけです。そのうち1本が望遠系で直進式です。個人的には回転式のほうが好きでした。

 カメラを構える前に、レンズの焦点距離を先に決める習性がついていたので、直進式に魅力は感じませんでした。レンズの焦点距離を決めて、自分が動いて被写体との距離を変えるのが撮影の基本です。その場で画角が変えられるズームレンズは、写真をズボラに撮るメタボな道具になりがちです。

 性能的にずいぶん良くなったとはいえ、ズームレンズは「暗くて重くて大きい」のが難点です。小型軽量化が進み、量産効果で価格は安くなりましたが、明るさと描写力は単焦点レンズにかないません。速写性を重視する撮影や、機材の総量を抑えたいとき以外は、いまでも単焦点レンズを重用しています。
OK キャンセル 確認 その他