2012/07/16(月)内臓ストロボの出番は?

 デジカメに動画機能が要らないという意見はよく耳にしますが、内蔵ストロボが不要との声は、あまり聞かないように思います。写真を撮るうえで、あって邪魔になる機能ではないからでしょう。

 一眼レフの場合は、ストロボを内蔵していないのはプロ機という認識があって、「一番高い Nikon D4 になぜない!」とクダを巻く人はいないはずです。普通の人が買うカメラではないからです。
 D800 はストロボを内蔵しているところをみると、プロやアドアマ層以外もターゲットにしている、ということですか。ないと文句を言う人も対象のようです。

 ストロボ内蔵の一眼レフが何台かあるのに、焚いた記憶はほとんどないから、個人的にはあってもなくてもいいように思います。昔からストロボの直焚きが嫌いで、主にバウンスや補助光として使っていました。外付けの大光量タイプでなければ使い物にならない、との思い込みもあります。
 ケータイにカメラ機能があるのに、使ったことがないのと似ています。写真を撮る道具という認識がないからでしょう。よほどのことがない限り、ケータイで撮ることはないと思います。

 コンパクトカメラの TIARA は、明るい場所でもストロボは常時発光です。遠距離にピントが合ったとき以外は光ります。-1EV で光るそうだから補助光ですね。効いても効かなくても写真は撮れてます。
 写り具合を変えたいときは、ストロボ発光を禁止したり、スローシンクロにしたりして調節します。マニュアル露光や露出補正ができない機種ですが、これで結果が変わるのが面白かったです。
 写ルンですを使うときは、日中屋外でもストロボを ON にしています。これも補助光で、おまじないみたいなもんです。周りにもそうするよう薦めています。

 一眼レフを使うときは、こうした撮り方とは違います。自動露出で撮るとしても露出補正や段階露光を駆使して、自然光だけで撮影するのを基本にしてきました。
 ストロボだけ別に露出補正できる機種なら、-1EV(1/2) にして常時 ON にすれば TIARA と同じ原理ですが、そういう使い方はしませんでした。シンクロ速度や連射機能に制約があったからだと思います。

2012/07/15(日)デジカメの動画機能

 今度デジカメを買ったら、要る要らないはともかく、動画機能がついてくるはずです。ライブビューの苦手な一眼レフでも、動画が撮れるのが当たり前の時代になりました。とくに普及機は、ないと売れないみたいです。
 個人的には、デジカメでムービーを撮る気はないから、動画機能をチェックするつもりはありません。ついていたらオマケです。

 動画機能にコストをかけるくらいなら、ほかの機能を充実させてほしい・・というのが本音です。動画不要論を唱える人たちも発想は同じだと思います。では、動画機能の向上はスチール写真と関係がないかというと、実はそうでもないみたいです。

 一眼レフの場合は、ミラーが上がっている状態でないと動画は撮れません。いわゆるライブビュー状態です。露光中に AF や AE 機能を働かせ、モニターに画像を送り、メモリーに記録する。一眼レフにとっては、かなりしんどい作業です。
 半透過固定式のトランスルーセントミラーを使った機種もありますが、あれは光学式ファインダーではないから、一眼レフと呼べるかどうか疑問です。ミラーは位相差 AF センサーに光学情報を送るためのものです。一眼レフからミラーがなくなる過渡期の機構と考えたほうが合点がいきます。

 半透過ミラーを使わない普通の一眼レフは、ライブビュー状態で AF を働かせるために、撮像センサーに検出機能を持たせる必要があります。この性能が位相差方式と同等になれば、一眼レフからミラーをなくして電子式ビューファインダー(EVF)にし、コストダウンが図れます。EVF は、いまよりも高性能で低コストになると予想されるからです。

 フル HD(1920x1080 Pixel)は約 200 万画素あるから、L 判程度のプリントが得られるはずですが、実際にはそうはいきません。静止画と動画では求められる画像のクォリティーが違うからです。現時点では、スチール写真と動画は別物です。
 動画機能が向上すれば、動画のひとコマからきれいなプリントが得られるようになるでしょう。キヤノンはプリンターも出している関係で、動画からのプリントに力を入れているようですが、まだ画像処理でごまかしているレベルです。
 秒間 30 コマ程度の動画から任意のコマを選んで、ストレートに高画質のプリントが得られる時代が、そのうちくると踏んでいます。

2012/07/14(土)スチール写真と動画機能

 絵画を捨てて写真の道に入った M 君とは、いまでも年賀状のやりとりが続いています。毎年、写真入のポストカードの半面にビッシリ、世相の論評が書かれています。文章の論調が厳しい反面、写真のほうはほのぼのとしたおおらかさがあります。彼の人柄でしょうね。

 ずいぶん前にテレビ番組で、彼が取材する様子を見かけたことがあります。スチールカメラのほかにビデオカメラを持っていました。写真家というよりは、フォトジャーナリストと呼んだほうがよさそうです。
 事実を伝える報道は、スチール写真でもムービーでもどちらでも構わないというスタンスです。雑誌なら写真だし、テレビなら動画のほうが訴求力があります。紙媒体では、文字によるレポートも大事な要素です。

 デジタルカメラに動画機能は要らないという声をよく耳にします。個人的には、コンデジについていても動画機能を使ったことはないから、不要と思っている口です。でも彼のようなフォトジャーナリストにとっては、スチール写真とムービーが1台のカメラで撮れたほうが便利ではないかと思います。

 実際には、写真は写真、動画は動画で、別々のカメラで撮るプロが多いはずです。スチール写真とムービーでは、求められる機能や使い勝手が違うからです。
 それでも撮影中にリアルタイムで動画に切り替えられれば、チャンスを逃がす確率を減らせるし、万一のときに代替機があるという安心感があります。

 近頃は彼から写真展の案内を送ってこなくなりました。稼いだ原稿料が写真展で消えていくと嘆いてましたが、ひょっとすると今はムービーのほうに力を入れているのかも?
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