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2012年08月23日の記事

2012/08/23(木)パノラマプリントのサイズ

 使い切りカメラに端を発したパノラマ写真ブームは、沈静化しなからも APS(IX240)まで引き継がれます。APS フィルムのパノラマは、上下を遮光するのではなく、磁器情報で識別します。後から情報を書き換えることで、H 判、C 判、パノラマのいずれにでも変更可能です。
 それでも H 判のプリントと長編の写角は同じです。上下がカットされるぶん、写っている面積が狭くなるのは 35mm 判パノラマと同じでした。「広大な」という意味ではインチキパノラマです。

 簡易型のパノラマ写真は、原板の上下をカットしたものを横に2倍引伸ばします。ちょうど L 判の写真を横に2枚つなげた大きさです。89x256mm だから、長辺は六つ切と同じです。六つ切に伸ばしたプリントの中央を 89mm 幅でカットした勘定です。
 画質的には、ポケットカメラの L 判プリントと同等ですが、画質や粒状性を云々する声は、ほとんど聞かれませんでした。プリントの迫力のほうが勝ったからでしょう。

 銀塩プリンターでプリントする場合は、89mm 幅のロールペーパーを 254mm 送るか、254mm 幅を 89mm 送ります。89mm 幅は L 判・APS と兼用、256mm 幅は六つ切・四つ切・ワイド四つと兼用です。
 パノラマ未対応の古いプリンターだと、254mm まで送ることができず変則サイズになります。元々インチキパノラマなのに、プリントまでインチキサイズでは、画面の広さはますます狭くなります。新しい規格が登場すると、それに対応するための設備投資が必要になりますが、パノラマ対応はミニラボが普及し始めてから最初に現れたハードルでした。

 出始めのころは、パノラマ専用のアルバムがありました。パノラマ専用の使い切りカメラだとフィルム1本すべてがパノラマです。普及促進のための必須アイテムでした。
 一般的な3段式ポケットアルバムだと、縦にして1枚収納できるよう、切り込みが入っています。効率は悪いものの L 判と一緒にファイルできるのは便利です。こうした業界の努力がなければ、パノラマプリントは普及しなかったかもしれません。
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