2012/08/04(土)デジタル一眼レフはいまが開花期

 撮像センサーのコストダウンが進んで、いよいよ低価格のフルサイズ機が登場しそうな雰囲気です。低価格といっても 20 万円を切る程度の予想価格だから、一般庶民にはまだまだ高値の花ですが・・・
 一眼レフ大手2社がフルサイズ機に力を入れだしたのは、ミラーレス機の台頭が関係していると思います。上位機種でも APSC 機では価格を維持できなくなりつつあります。EVF 搭載のミラーレスで十分との声も聞かれるようになりました。

 ちょうどデジタル普及期のフィルムに似た現象です。いままで開発して温存してきた技術をいま出さないと、一生お蔵入りになるとの危機感がありました。競合他社との競争よりもデジタル化の波がすぐそこまで迫っているほうが脅威です。新製品が次々と投入されました。

 別に一眼レフが前時代的な製品だと言うつもりはありません。フルサイズのデジタル一眼レフ、結構じゃないですか。でも巷では、フルサイズのミラーレスを希望する声も聞かれる状況です。いま出しておかないと、いずれ切り札でなくなってしまう・・・そんな心境にメーカー側はなっているのではと推察します。
 フルサイズ対応の交換レンズが揃っているのは、ニコキャノ2大メーカーの利点です。他社は本体だけでなくレンズも開発しないといけません。フルサイズの低価格機は、2社にとって強力な切り札です。

 フィルムの技術開発は、デジタル化するずいぶん前にほぼ終わっていて、他社の動きを見ながら小出しに新製品を出していたと聞いています。
 デジタル一眼レフの場合は、そんな悠長な状況ではないと思いますが、出し惜しみしていた部分もあったように感じています。一気に開花させないで、この分野でもうしばらく稼ぎたい・・・そんな皮算用だったのでは?

 今年から来年にかけて、フルサイズの一眼レフは新製品ラッシュになりそうです。ミラーレス機の噂もあります。本体価格が 10 万円を切る日は、そう遠くないないでしょう。

2012/08/03(金)独自マウントはまだ増える?

 フィルム全盛時代には「一眼五社」といって、主な一眼レフメーカーが5社ありました。キヤノン・ニコン・ミノルタ・ペンタックス・オリンパスです。このうちオリンパスの OM マウントは姿を消し、現在は 4/3 と m4/3 を採用しています。ミノルタのαシステムは、ソニーが引き継ぎました。

 世界的にみて一眼レフを作れるメーカーは限られます。日本企業以外で名前があがるのは、ライカと中判カメラのハッセルブラッドくらいです。一眼レフのマウントがこれ以上増えることはないと思います。増えるとすればミラーレス機です。
 個人的には、ミラーレス機のマウントの種類はもっと増えると踏んでいます。いまの倍くらいになるかもしれません。理由はフォーマットサイズの多様化です。

 ミラーレス機には二つの側面があると思います。ひとつは一眼レフの小型化、もうひとつはレンズ交換式のコンデジタイプです。両方を兼ね備えたカメラがあれば、マウント規格をこれ以上増やさずに済みますが、それは難しいでしょう。客層が違うからです。

 フィルム時代の古いマウント規格は、ミラーレス化で新しい規格に置き換わると考えられます。しばらくは並存するでしょうが、いずれは統合されるはずです。4/3 も m4/3 に一本化されると予測します。それと同じ流れです。

 レンズ交換ができるコンパクトカメラは、APSC フォーマットではサイズ的に無理があります。レンズが小さくできないからです。その点、PNTAX-Q は面白いところを突きました。 コンデジと同じ 1/2.3 インチの撮像センサーを採用し、小型化を実現しました。でも、まだあの大きさです。もっと小さくしないと、コンデジのユーザーをこれ以上獲得するのは難しいでしょう。
 K マウントに代わる新規格は、まだこれからです。K-01 で様子を見たのは正解でした。光学式ファインダーと位相差 AF に頼らなくても済むようになるまで、じっと我慢の子でもいいのでは?

 ニコンがどこまで我慢できるか、ちょっと興味があります。F マウントは捨てないでしょうが、いつまでもそれだけにしがみついていると、世の中の流れに置いていかれます。X-Pro1 みたいなのをニコンが先に出していたら・・なんてことをふと思うこのごろです。

2012/08/02(木)ビデオカメラのマウント

 キヤノンから EOS M が発表されたことで、またひとつカメラマウントの種類が増えました。新しい規格が出るたびに、独自マウントの乱立を嘆く声が上がりますが、企業独自のシステム機器だから仕方のないことだと思います。

 前回指摘したように、市中に累積する膨大な EF レンズを流用できるミラーレス機は、キヤノンからしか供給できないでしょう。完全に電子化された EF レンズは、サードパーティーのマウントアダプターでは絞りが使えないし、電子接点をつけて対応できたとしても AF は動きません。EF レンズが使える新規格のマウントを待ち望んでいたユーザーは多いはずです。
 個人的には、EF レンズは手元にないし、EOS M は購入の対象外です。内臓ストロボがないのは構いませんが、ファインダーがないのは困ります。

 ソニーの E マウントは、ビデオカメラと兼用です。キヤノンもビデオカメラを出しているから、当然考慮しているはずです。いまのところこれについてのアナウンスはないようですが、そのうち動きがあるかもしれません。
 映画用の撮影機や業務用ビデオカメラは、レンズマウントの種類が限られていて、スチールカメラみたいな乱立状態とは違います。フィルム映画の時代は主に PL マウントが使われていました。デジタル化で一時フォーマットサイズが小さくなりましたが、ここへきて 35mm 映画フィルムに近い Super 35mm サイズの登場で、再び脚光を浴びています。

 PL マウントのフランジバックは 52mm と長いので、マウントアダプターをかませれば、ほとんどのミラーレス機で使えます。ソニーの E マウント機も同様です。元の規格が何であれ、PL マウントに変換できればいいわけです。
 どんなレンズがあるか調べてみたら、やたらとバカ高いですね。単焦点レンズが1本数十万円なんてのはザラです。フジノンのズームレンズは1千万円前後します。映画機材はほとんどがレンタルだと聞いてはいましたが、これなら納得です。
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