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2012年09月28日の記事

2012/09/28(金)野外ロケの無線LAN

 撮影した画像データをワイヤレスでパソコンの大容量 HDD に送るやり方は、スタジオ撮影だけでなく野外ロケでも使われています。車の中やテントに設置したパソコンに、無線 LAN を使って画像を転送します。野外での無線 LAN 環境は電源の確保など難しい問題があります。それにもかかわらず採用するのは、クライアントやデザイナーにリアルタイムで撮影画像をプレゼンしたいからです。

 実際には、本命の RAW データではなく JPEG 画像だけを転送します。数百万画素の JPEG データなら比較的短時間で転送可能です。撮影現場でパソコンのモニターを見ながら良いカットをチョイスするのに、RAW データを使う必要はないからです。
 こういう使い方をするのに、カメラ内に Wi-Fi 機能を内臓する必要はなさそうです。外付けのワイヤレス装置(例えばニコンのワイヤレストランスミッター)を利用するほうが実用的です。元は報道写真用に開発されたシステムです。

 無線 LAN は到達距離が長いので、野外での撮影に向いています。100m から 200m は飛ぶでしょう。実際には、障害物が途中にあったり、スタッフが間を横切ったりして、通信障害が起こる可能性があります。30m から 50m の地点に中継用の無線 LAN ポイントを高めの位置にセットすれば、安定性が確保できます。
 ここでも問題なるのはセキュリティーです。到達距離が長いシステムほど、画像データが漏洩する危険性が高まります。パスワードなど機器の設定をきっちりしないといけないので、面倒がって敬遠する向きもあるようです。

 個人的な撮影では、第三者にプレゼンする必要はないので、ワイヤレスの使い方はもっと簡素でも構いません。カメラのそばに停めた車の中でモニターしたり、カメラをコントロールしたりできれば事足ります。
 無線 LAN でなくてブルートゥースでもいいのですが、こういう使い方は業務用途が優先されます。当面は無線 LAN が主流になるでしょう。ただし、カメラ内臓の Wi-Fi 機能は、画像データを手元のスマホに送るのが目的で、あくまで個人用途を前提にしています。野外ロケには向きません。
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