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2012年10月27日の記事

2012/10/27(土)日本のカメラ産業は中韓に抜かれない?

 ほんの少し前まで薄型テレビは日本の家電メーカーが世界のトップだと思っていたのに、いまや韓国勢に抜かれて青息吐息の状態です。家電各社の大幅赤字の要因にもなっています。部品を組み立てるだけで製品が作れることは、パソコンで経験済みです。液晶テレビも同じ轍を踏むと予測できなかったのは不覚でした。

 この前テレビを見ていたら、日本のカメラ産業は世界トップで、将来にわたって中韓に抜かれることはない、と評論家が豪語していました。本当でしょうか?
 その評論家が挙げた根拠のひとつは、カメラはレンズも含めたシステムで成り立つ精密機器という点です。日本企業のノウハウは、そう簡単に真似されたり抜かれたりするものではない、との言い分でした。確かにそれは言えていますが・・・

 ウォークマンが iPod にやられたように、スマートフォンのカメラ機能では海外メーカーが主導権を握る可能性が大です。というか、世界的にはすでにそうなっています。スマホがすべてのカメラに取って代わることはないとしても、裾野の部分を海外メーカーに押さえられる可能性は十分あります。それを狙っているのが、スマホでリードする韓国のサムスンなど海外勢です。
 APSC フォーマットのミラーレス機サムスン NX100/200 は、ソニーの NEX シリーズに比べて見劣りしますが、伏兵として要注意です。国内メーカーがこの分野でもう少し稼ぎたいと欲をかいているうちに、価格戦略でスカッとやられるかもしれません。

 デジカメのサンプル写真の評価をみてもわかるように、高画質とは何かをきちんと判断できるユーザーは意外と少ないものです。フルサイズに比べて設計基準が緩い小型フォーマットで、そこそこ写るレンズを作ることは、昔ほど難しいことではないでしょう。
 大手一眼レフメーカーがフルサイズ化に踏み切ったのは、ミラーレス機の台頭だけではなく、ミラーレス市場に外国勢が参入してくるのを見てのことだと推察します。

 テレビ番組で評論家は、ニコン・キヤノンは車でいえば F-1 みたいなもんだ、と言っていました。F-1 の分野で生き残れても市場の大半を取られては、勝ち組とは言えないでしょう。国内メーカーにとって気の抜けない時代の到来です。
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