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2012年11月26日の記事

2012/11/26(月)ズームと単焦点の画質の差

 一眼レフのキットレンズが単焦点の標準レンズからズームレンズに替わり、それまで主流だった単焦点レンズは少数派に転落します。35mm や 50mm は標準ズームに取って代わられました。そのうち 28mm も同じ運命をたどります。
 日常のスナップ写真はズームレンズのほうが便利です。ズームの性能がよくなり、量産効果でコストダウンが図られたのが追い風でした。

 実際には、単焦点とズームとで画質の違いはありました。同じ被写体を同条件で撮り比べることはまずないから、実感することは稀ですが、そんな体験をしたことがあります。
 近所の写真屋のオヤジさんに頼まれて、二人で幼稚園のお遊戯会を撮ったときのことです。オヤジさんはズームニッコール、こちらはツァイスの単焦点でした。

 フィルムと電池は店が用意し、機材は自前です。室内でストロボを焚く撮影だったので、開放値が明るい単焦点レンズを使うことにしたわけです。フィルムはフジのネガカラーでした。
 2回目の撮影が終わった後だったと思います。オヤジさんに「次回からコンタックスを使うのはやめてくれんか」と頼まれました。写真の仕上がりが揃わないのが理由です。奥さんの話では、明らかに違うそうです。

 ニッコールとツァイスでは発色が若干異なりますが、ネガカラーで大きな違いが出るとは思いませんでした。聞けば、コンタックスのほうが抜けがよくてピントもいいそうです。自分が撮った写真が見劣りするのは困るんだとか・・・

 当時は F3 の時代でマニュアルフォーカスです。オヤジさんはもういい歳だから、暗いズームでピント合わせが甘くなっていたのかもしれません。ある程度絞り込むために大型のグリップストロボを使っていました。シャッタースピードは同調速度の最高速です。
 こちらは GN.30(ISO100) のクリップオンストロボで、絞りは浅め、シャッタースピードは同調速度から1段落とし、手ブレしないようショルダーストッカーを使いました。

 いま思うと、仕上がりの違いはおそらくこれですね。オヤジさんが撮った写真は背景が黒くつぶれていたのでは? 私のほうは背景がわかる程度に写っていたはずです。ネガカラーのL判プリントでもその差は歴然です。
 ツァイスの単焦点と比べれば、ズームレンズのほうが画質的に劣っても不思議はないでしょうが、そこまでの差は出ないと思います。次回にズームレンズ同士で撮影したらどうなったか?
 その後お呼びは掛かりませんでした。(やれやれ)
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