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2017年01月07日の記事

2017/01/07(土)ぽっかり空いた自現機の場所

 昨年(と言っても先月の話ですが)知り合いの写真店にお邪魔したら、フィルム現像機が置いてあった場所がぽっかり空いてました。ずいぶん前からいつやめるか悩んでいたようですが、とうとうなくなってしまいました。

 昔は1時間に 100 本処理できる現像機を置いていました。ノーリツ鋼機の V-100 です。建築土木が主な得意先だったから、午前中に集めたフィルムを昼食時間中に一気に処理して、午後から届けないといけません。このくらいの能力がないと処理しきれなかったそうです。

 フィルム現像機はおかしなもので、大型機でも小型機でも最初の1本目が現像されて出てくる時間は同じです。ところが大型機は2本目から差がつきます。タンク容量が大きいので、次から次と処理が完了して出てきます。小型機でようやく2本目が出てくるころには、すでに何本か処理できているのが大型機の強みでした。

 建築土木関係がデジタル化でフィルムを使わなくなると、こんな大きな自現機は要らなくなります。タンクが大きいとそれなりの処理量が必要で、少ないと処理液が回転不良で疲弊してしまいます。V-100 を支店にあった V-50 にスケールダウンしました。V-100 を引き取ったのはブライダルフォト専門の会社でした。当時はまだそれだけフィルムを使ってたんですね。

 その V-50 はのちにもっと小型の V-30 に変わりました。1時間に 26 本の小型機です。V-50 を引き取ったのは、前に V-100 を買っていったブライダルフォトの会社です。ここも処理量が減って、ダウンサイジングしたようです。あの V-100 はどうしたんでしょうね。たぶん引き取り手はなかったと思います。

 頻繁に母液交換を続けながら最後まで粘っていた V-30 も、とうとう維持できなくなりました。今回は引き取り手がなく、廃棄処分したそうです。例のブライダルフォトの会社もデジタル化で、フィルムはもう使ってないみたいです。店頭にあったフィルムは撤去されて、作業場の棚に置いてありました。売っても自分の店ではもう処理できないからだと思います。

 写真屋からフィルム現像機がなくなるときは、同時にフィルムも店頭からなくなるんだと、しみじみ思いました。店長の話では、スタジオのマミヤ RZ を売ろうとしたが買い手が見つからなかったそうです。この店がフィルムをやめるくらいだから、そりゃそうだわね。
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