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2017年04月14日の記事

2017/04/14(金)ホームタマネギがトウ立ちした

 毎年、夏になるとホームタマネギなる小さな玉ねぎの種球を植えています。うまく育てば年内に新タマネギを収穫できるという変わり種です。別名セットタマネギ(セット球)ともいうこの種球は、春に蒔いた種から育てた苗を球が直径 2~3cm のうちに掘りあげたもので、夏ごろにホームセンターの種苗コーナーでも入手できます。

 去年植えたホームタマネギは、種球が小さかったせいか年内に収穫できずに越年栽培となりました。こうした株は「青立ち」といって、春に球が育ち始めたころに大半がトウ立ちします。抽苔した玉ねぎは芯があって品質が下がるため、市場に出回ることはまずありません。市販されてない作物を育てるという意味では、家庭菜園ならではのものと言えなくもないのですが…

玉ねぎのトウ
 抽苔したトウ(上の写真)は、ニンニクやニラの花芽とは違い、硬くて食べられないみたいです。トウ立ちしたものは球に芯があるので、トウと芯を取り除けば新タマネギや葉タマネギとしてすべて食べられるそうです。考え方によってはムダのない作物ですね。でも、タマネギのトウ立ちは、営業農家にとっては、この世の終わりみたいなもんなんだとか… (市場に出せないからね)

 ホームタマネギの栽培は、今回で3回目です。2回目までは、全数とはいきませんでしたが、ほとんどを年内には収穫していました。すべて年越しし、全部トウ立ちしたのは今回が初めてです。失敗した原因は究明しておかないといけません。農業も科学です。

 まず第一に、買ったセット球が売れ残りのもので、球のサイズが小さかったことです。ホームタマネギの栽培は、初心者向きというサイトがある反面、上級者向きとするサイトもあります。球のサイズ、蒔き時、発芽の方法、追肥のタイミングなど、かなりシビアな栽培が求められます。直径 2.5cm 未満の小さなセット球は、早めに植え付けて育てないと「青立ち」になりやすいのが難点です。常識的な適期に植えたものの、サイズが小さかったのが致命傷でした。

 それと、決まった時期に植えておけば、あとは勝手に育つと思い込んでいたのが間違いでした。植え付け時期は8月末の一週間と限られています。今年で言うと8月末を含む最後の週です。なぜこの期間に限られるのかは、日照時間が関係しています。秋のお彼岸を過ぎると如実に日照時間が短くなります。10 月中旬までに本葉が7枚程度に育っていないと「青立ち」株になりやすいんだそうです。

 そのためには、8月末の限られた期間に種球を植え、なるべく早めに発芽をそろえないといけません。発芽をそろえるために、遮光して地温を下げ、乾燥させないようにこまめに灌水する作業が必要です。やっと発芽したと思ったら、今度は9月下旬には1回目の追肥が必須です。これを忘れて遅めに追肥すると「青立ち」の原因になります。決まった期間に植えさえすればそれで終わり…ではないわけです。

トウ立ちした玉ねぎを収穫
 どうやら今回のホームタマネギの栽培は、いろんな点でアウトだったみたいです。トウ立ちした玉ねぎは、トウと芯の部分を除いてすべて食べられるそうです。ただし日持ちがしないから、一ヵ月くらいで消費しないといけません。大した数じゃないけど、これから毎日タマネギ料理の連続です。ネギは苦手だから葉っぱは家内に… あとは丸ごと伯母さんちにもね。(珍しいとかいって喜んでました)
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