2017/12/27(水)ONVIF 対応の IP カメラと NVR

 防犯カメラか監視カメラかの区分とは関係なく、異なるメーカー間の互換性を保証する規格に ONVIF というのがあります。Open Network Video Interface Forum の略です。ONVIF 対応の IP カメラであれば、同じく ONVIF 対応のレコーダー (NVR) で録画・再生ができます。パーン・ティルト・ズーム (PTZ) が電動式の場合、異なるメーカーの機器でもコントロールが可能です。

 この互換性を充てこんで、PTZ のドームカメラとピストル型カメラ用に、PoE 式の NVR を追加しました。いずれもメーカーは異なります。新しく入れた NVR の PoE は、正規の 48V 仕様です。前に入れた 15V 仕様の独自 PoE の NVR とは、電源の互換性がありません。どちらも LAN 上ではスイッチングハブとして機能しているので、PC からすべてのカメラにアクセスできます。仮に NVR の間でつなぎ換えができたところで、あまり意味はなさそうです。

 理屈の上では ONVIF 対応の機器同士は問題なく動作するはずです。でも実際には、ソフト側のバグでエラーになったり、システムがハングしたりすることがあります。ウチもその症状に見舞われました。特定のカメラの色調補正をすると、エラー表示が出たまま通常画面に復帰できなくなる症状です。もう電源を強制的に切ってリセットするしかありません。HDD に録画機能のある NVR で、強制終了は致命傷になる可能性があります。

 いちおう販売元には問い合わせのメールを入れておきました。他社のカメラでエラーが出ても保証外と言うのは目に見えています。エラーが出るのは構わないが、そこから通常画面に戻れず強制終了するしかないのが問題だ、と指摘しておきました。言ってることの意味がわかれば、他社のカメラだから知らないとは言えないはずです。(ソフトのバグだからね)

 NVR の HDD に常時録画しなくてもよければ、エラーの出た IP カメラはスイッチングハブにつなぎ、パソコン上のビューワーソフトで監視する手もあります。PTZ カメラを追加で1台だけ入れる予定のときは、その考えでした。ところが、なんだかんだで3台に増えてしまったので、NVR とカメラ1台がセットになったものを入れることにしたわけです。4チャンネルの NVR 2台とカメラ8台で、自宅の周りをカバーする形です。エラーが出たまま NVR が復帰しないのは困ります。

 中国の販売元からは毎日メールがきます。この画面を写して送ってくれとか、その操作手順をビデオで撮って欲しいとか、色々言ってきます。難しい日本語の説明より、画像で見たほうがわかりやすいからでしょうね。修正プログラムが来たのでアップグレードしたら、今度は問題のカメラの画像が映りません。しかも元のエラーはそのままです。(こりゃダメだわ)

 こういう問題は、あまり騒ぎ立てて結果を急がせるよりも、じっくり時間をかけてやらせたほうが早く解決できるものです。返信するとき毎回、「急ぎません」「気長に待ちます」と伝えてあります。向こうは、日本人はせっかちだと思っているのか、毎日メールをくれるけど、あれこれ要求が多いのは困りものです。こちとら監視カメラのために生きてるわけじゃないしね。

2017/12/21(木)防犯カメラと監視カメラは違う?

 自宅のセキュリティー強化で、防犯カメラを設置しました。ワイドレンズ付カメラ4台で敷地内を常時録画し、何か異常があった時はその様子を確認したり、記録をコピーして捜査当局に渡したりすることができます。これが不審者に侵入を思いとどまらせる抑止力となり、犯罪を未然に防ぐのが主な目的です。

 防犯カメラの映像は、普段は監視する必要はありません。ただひたすら記録媒体( HDD など)に録画し続け、何も事件がなければ再生されることもないでしょう。一種の保険みたいなもんですね。なかには「仕事」が終わった後の話だと、録画されるのを無視する図太い泥棒もいるそうです。確かに、防犯カメラに犯罪を実力で阻止する機能はないに等しいのが現実です。

 それならダミーカメラでいいじゃないか、という意見もあります。本物にするかダミーにするかは、事件や事故の後で証拠を求めるか求めないかの違いしかないのかもしれません。抑止力を期待するだけなら、そんなに高画質のカメラでなくても 720P 以下の安いシステムでいいという説もあれば、後で役に立たない低画質ならダミーで十分との指摘もあります。どうやら高画質のシステムか、それともダミーかの二者択一のようです。

 セキュリティー強化の第一弾は、1080P の IP カメラ4台と NVR(レコーダー)の組み合わせです。カメラは固定で、単焦点だから画角も固定です。HDD への常時録画は、古い画像に上書きしていくエンドレス方式なので、一度セットしてしまえば何かない限りチェックすることもなさそうです。動かない画を見ていてもつまらないしね。

 そんなことから、防犯カメラとは別に監視カメラを追加することにしました。すでに設置した防犯カメラの守備範囲から漏れた部分をフォローする役割もあります。たまにライブ画像をチェックするのであれば、カメラの向きや画角が変えられる PTZ(パーン・ティルト・ズーム)機能を搭載した機種にしようと考えました。自宅周りの様子を見るためのカメラです。

 なんでこんなに身の回りをカメラで固める気になったのかは、窓の二重化で室内から外の様子が見えなくなったのが一因です。ポリカ・プラダンを通した外の様子は、誰か人が歩いているらしいとか、黒っぽい車が通ったとかいう程度のもので、具体性がないのが難点です。外から家の中が見えない代わりに、家の中から外の景色が見えないのは不便なものです。

 新たに設置した PTZ ドームカメラの画像テストをしていたら、お隣さんがポストに何やら入れているのを見かけました。回覧板です。宅配便や来客を待っているときに、表の様子がわかると助かります。どちらも必ずインターホンを鳴らすから、家の中で待っていればいいけれど、いきなりというのもちょっとね。

 表題の結論は、常時録画で事件・事故がない限り画像を確認しないのが防犯カメラ、たまに(あるいは頻繁に)ライブ画像を見るのが監視カメラ、てなところですか。防犯カメラは保険で、監視カメラは実用品という考え方もあります。ダミーは安い保険にはなるけど、監視カメラにはならないからね。

2017/12/08(金)極端な価格の PoE セパレーター

 今回テストに使用したパッシブ式 PoE セパレーターは、先月末に購入したものです。PoE に対応していない IP カメラに使うことがあるかと思い、800 円もしなかったので気軽に注文しました。ところが、追加注文しようとしたら、10 日もしないのに価格が6倍以上に値上がりしていました。

パッシブ式PoEセパレーター

 前回と同じ出品者じゃないから、前の値段が安すぎたのかもしれません。それでも単純な構造のパッシブ式がオス・メスセットで 5,000 円とは、あまりも高すぎやしませんかね。ネット通販では、こういうことがままあります。普通は送料を含んでいる分だけ高めになっている程度の差ですが、明らかに一物二価のものがあります。それにしてもここまで極端に違うのは珍しいケースです。

 こんな値段ではとても注文できないので、仕方なく別のメーカーのものを頼みました。中国から China Post での発送で、送料込み 247 円と激安です。しかもオス・メスのセットになっていて、大丈夫かしらと疑いたくなる低価格です。それでもきちんとパッシブ式を謳い、その説明まで丁寧にしていたので、出品者を信用して注文しました。

 別のセパレーターの購入者レビューで、「この商品を使ったら動かなかった」とか、「カメラが2台とも壊れたのでお勧めできない」なんてコメントをよく見かけます。パッシブ式だと知らずに片方だけを PoE NVR につないだんだと思います。この激安セパレーターは、「パッシブの PoE は入力と出力パワーが同じと意味します」、「(カメラに)付属する電源を用いて電源を提供します」と、きちんと説明をしています。正規の PoE が 48V 出力でカメラ側の入力は 12V だと知っていれば、間違った使い方をすることはないでしょう。

 WiFi 式のカメラでもカメラ側の電源は必要です。LAN ケーブルが要らないだけで、全くの「無線」にはなりません。カメラの近くに電源がないときは、LAN ケーブルを使って電力を供給するやり方もあります。とくに屋外設置の場合は、窓からフラットケーブルで内と外をつなぐ手が使えます。WiFi が不安定なら画像信号も LAN ケーブルで送ればいいでしょう。

 いまだに届かないピストル型 PTZ カメラがこのケースです。電源は、明暗センサーで ON-OFF する玄関灯(スイッチは常時 ON)から取れないことはありませんが、WiFi のレスポンスが不明です。場合によってはフラットケーブルを使って疑似的な PoE にしようかと考えています。結論はカメラが届いてからですね。
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