メッセージ

2018年08月21日の記事

2018/08/21(火)小口の金地金の売買には手数料が

 日本経済崩壊で紙のお金(日本銀行券)の価値が暴落したとき、それに代わるのは金(きん)ではないか?という話を前回しました。ジブリのアニメでカオナシが手からパラパラと撒いていた小粒の金塊がよさげです。金の延べ棒じゃ使い道が限られるからねぇ。

 金地金は 5g からあるそうです。ところが、小口のものには売買のたびに手数料が掛かります。ちなみに 5g の場合は、買うときに 4,000 円以上、それを売るときにも 2,000 円以上の手数料が必要です。現在の相場で2万数千円のものに合計6千数百円は、ちょっと重たい気がします。売買の手数料が掛からないのは 500g 以上からだとか…

 2百数十万円の金の延べ板となると、資産として仕舞っておくのが主な目的となります。ところが 200 万円以上の金の売買は、税務署に届け出義務があるんだそうです。無記名で買うことは国内ではまず不可能です。個人同士の闇取引なら話は別ですが、数百万円単位の売買だからリスクは避けたいところです。では、どのサイズの地金を買ったらよいのでしょうか?

 事情に詳しい人の話では、100g の地金が使い勝手がいいと言います。現在の相場で約 50 万円。年間2個までは贈与しても非課税です。200g だと、金の相場が上がった時に非課税枠の 110 万円を超えてしまいます。500g 未満 100g までの購入手数料は1万数千円で、5g を4個買った時とほぼ同じです。

 昔、金の相場がまだ安いころに手に入れた人は 1kg の延べ板で持ってるケースが多いみたいです。それを加工して 100g に小分けする商売があります。掛かる費用は約 15 万円ほど。1kg の売買には手数料が要らないから、正規ルートで 100g のものに買い直しても費用はそれほど違いません。一旦売却したときに税務署に報告がいくのを嫌う人が多いんでしょうね。

 金の地金を扱う業者には「上様伝票」というのがあって、小口の地金は無記名で取引するのが慣例のようです。領収書の宛名も「上様」です。こつこつお金を貯めてある程度の金額になったら、50g か 100g の金でも買いますかね。銀行の定期預金にしておくよりは懸命な選択だと思います。

 飾り気のない金の指輪でもよさそうな気がします。甲丸とか「カマボコ」とかいうやつです。国内で流通しているのは純金(24 金)ではなく 18 金が多いようです。重さが軽い割に加工費が高いので、貯蓄型資産としては割高です。金の指輪は一般的に認知度が高く、金地金よりもなじみがあるので、いざというときの支払いや物々交換には有利かもしれませんが…

 このところ貴金属の買取業者が増えました。宝石は砂上の楼閣みたいなもので評価はピンキリですが、貴金属は相場がはっきりしていて、極端な査定はないのが普通です。熔解したときの地金の相場と加工賃、売買手数料で値段が決まります。鋳つぶさずにそのままの形で流通させれば、加工賃と手数料がまるまる儲けになります。おいしい商売みたいです。
OK キャンセル 確認 その他