2019/09/20(金)防犯カメラのレンズを交換 _3

 電源を入れたままアレコレいじったのが悪かったのか、レンズ交換を試したカメラが原因で IP アドレスに乱れが出てにっちもさっちもいかなくなりました。モニター画面に警告が出まくりです。そのうちの1台を外したら復帰したので、間違いなくこいつが犯人ですね。

 このカメラは 48V 仕様の PoE なのですが、 RJ45 端子ひとつしかない変則仕様です。普通は 12V 用の電源端子が付いてるのに、PoE スイッチからの接続以外に作動させるすべがないというのは考えものです。このままではリセットすることすらできません。

 IP アドレスを確認するために、別の LAN 環境を作りました。使っていない 8ch PoE NVR を使って IP アドレスを調べます。何度かトライして IE ブラウザからカメラにアクセスすることに成功しました。カメラの設定を更新します。ようやく IP アドレスを固定することができました。これで前の LAN 環境に戻しても IP アドレスの競合でエラーが出ることはなくなりました。

 固定 IP にしたからすべてのトラブルから解放されるわけでないことがわかりました。全体の IP アドレスの管理と、個々のカメラの IP アドレスの管理ができて、初めて安定した防犯カメラシステムが維持できます。いろんなメーカーのカメラが混在する中で、この辺の難しさを改めて認識させられた次第です。

 超広角魚眼レンズ付というフレコミのカメラがあります。水平線魚眼もあれば全天周魚眼もあります。フロントプロテクターを外しても周辺のケラレはなくならないから、ヘタな改造はせずにこのまま使うのがよさそうです。(実際には 180°ないけどね)

魚眼レンズの写角
[水平線魚眼と全天周魚眼。わかりやすいようケラレの部分を黄色に着色]

 全天周魚眼は空の状態を確認するのに使えそうですが、夜間は星に向かって赤外線 LED を照射する虚しい状態になります。カメラによっては、ブラウザからコントローラーにアクセスしてモノクロモードをキャンセルできる場合があります。そのときも赤外 LED は消せないなど、いろいろ不都合があります。普及型の防犯カメラで夜間に星空を映すのはまず無理でしょう。

 市販されている単体のカメラやセット品のカメラで、実用的にレンズ交換できる機種が少ないことがわかりました。とくに広角側は、画面がケラレて使い物にならないケースが続出です。「弾丸型」と呼ばれるカメラは、改造せずに使うのが無難のようです。

 ドーム型は自由度が高そうに見えますが、赤外線 LED の干渉を受けやすい構造です。夜間の赤外線モノクロモードがキャンセルできれば、全天周魚眼レンズにもってこいです。夜間よりも日昼、太陽の直射光にさらされるほうが問題なのかもしれません。いずれ実験してみたいと考えています。(懲りないやつ)

2019/09/19(木)防犯カメラのレンズを交換 _2

 普及型防犯カメラの撮像版は 1/2.7~1/3 インチで、大抵はねじ込み式の M12 マウントです。レンズを仮止めしてある接着剤を丁寧にそぎ落とし、ようやく焦点距離 3.8mm のレンズ部分を外すことができました。あとは 2.8mm のレンズにはめ替えます。(撮像版のサイズはサチコン管時代からの表記法で、実際の面積はかなり小さいです)

 フロントカバーを外した状態でモニター画面を見ると、従来よりも広い範囲が映し出されていました。ところが、フロントカバーをはめた途端に両サイドが丸く欠けます。さながら水平 180°の魚眼レンズのようですが、実際の写角はそんなにないから違和感があります。(ただ欠けてるだけじゃん)

プロテクターがケラレの原因

[フロントプロテクターを外した状態]

 原因は、レンズと赤外線 LED を分離遮蔽するためのレンズガードの縁が写り込んでいるからです。もともと 2.8mm レンズが使えない設計なのに、2.8mm 付を謳うなんて詐欺同然ですね。ひょっとすると、周りが欠けてるというクレームがきて途中で変更したのかもしれませんが、それなら最初からレンズガードの縁の高さを低く設計しておけば済むことです。

 2.8mm レンズで左右にケラレが出るなら、わざわざレンズ交換する意味はなさそうなのに、もうヤケクソで写角がもっと広い 2.1mm レンズに替えてみることにしました。フロントプロテクターを外した状態では、四隅が欠ける程度のケラレです。イメージサークルが少し小さいみたいです。(安物だったからかしら?)

プロテクターによるケラレ

[左がフロントプロテクターを外した状態。右は着けた状態]

 フロントプロテクターをはめた途端に、全天周魚眼レンズみたいに周囲が欠けた丸い画像になります。やはり 2.1mm の写角で丸い画像ではストレスが溜まります。計画通りフロントプロテクターを外して使うしかなさそうです。もちろんその状態では防水機能はゼロです。屋外で使う前提だから、かなりまずいですね。

 いろいろ試行錯誤して、フロント部分には 52mm 径のフィルターがほぼピッタリはまることを突き止めました。接合部分をシールドすれば簡易防水くらいにはなりそうです。これでようやく超広角カメラに改造するメドがつきました。(プロテクター部分を金鋸でゴシゴシ)

 ところが問題がいくつか生じます。フロントプロテクターのレンズ部分が囲われて独立しているのは、周りの赤外線 LED の干渉を防止するためです。それをなくしてしまったことで、フィルターの内面に赤外線 LED の光が反射して映り込みます。これでは夜間は使い物になりません。(なんてこったい!)

 ここで諦めたのでは男が(女も!)廃ります。赤外線 LED に遮光幕を貼り、フィルター面に反射防止膜を貼って、防御することにしました。この作業は試行錯誤しながら大変そうですが、なんとかしのぎ切るしかありません。一枚ガラスだからフィルターの断面を伝わって漏れてくる光までは、防ぎようがないけどね。

2019/09/15(日)防犯カメラのレンズを交換

 防犯カメラの画角はどのくらいがよいかは、ケースバイケースです。広ければカバーできる範囲が大きい反面、被写体のサイズが小さくなって、人物の表情や車のナンバーなど視認性が悪くなります。少ない台数で全体をカバーしようとすると超広角レンズが有利ですが、玄関前のカメラは門扉をくぐる人の表情がわかる程度に拡大されたほうが実用的です。

 最初に購入したカメラは、なるべく広い範囲をカバーできるよう、超広角レンズ付のものを選びました。焦点距離は 2.8mm、撮像版のサイズが 1/2.7 インチというからそこそこ広角です。カメラが4台、イーサネットケーブルで電力も送れる PoE 4チャンネル NVR とセットでした。

 ところが、実際に使っていくうちにスペックどおりでないことがわかってきました。PoE の本来の規格は 48V 程度の電圧をイーサネットケーブルで送ることになっています。実際にはセット品の NVR から送られる電圧は 15V しかありませんでした。LAN ケーブルが長くなれば電圧が落ちます。PoE でカメラが作動する電圧は 12V のようです。(減衰の余裕は 3V ?)

 この NVR に正規品の PoE カメラを接続しても動きません(電圧が足りない)。このカメラを正規品の PoE スイッチに接続しても動きません(壊れるかも)。4台セットの限られた環境の中でしか作動しない、拡張性に欠ける代物でした。販売元に問い合わせたら、いま供給しているセットは 48V 仕様に変わったと言います。どうやら処分品をつかまされたようです。

 そこで 48V 仕様の NVR とカメラ1台のセットを追加で入れました。カメラのレンズは 3.6mm だから、画角は狭くなります。それはそれで使い道があるかと納得して買ったのですが、なんと!最初に買ったカメラと同じ画角でした。つまり、4台セットのカメラが 2.8mm レンズいう謳い込みはウソだったわけです。

 いまでは超広角レンズ付の防犯カメラが単品で売られていますが、当時は 3.6mm 付が主流でした。いまでもセット品は相変わらず 3.6mm 付がほとんどです。そこで 2.8mm から始まるズームレンズ付のものを追加しました。この手の商品は気をつけないとバチものをつかまされます。PTZ を謳いながらズームが電動でなかったり、ひどいのはパーン・ティルトまで手動です。(つど脚立にのぼれ!てか)

 ズームレンズとはいっても実際にはバリフォーカルです。画角を変えればピントがズレますが、オートフォーカス機能ですぐに合います。定位置が決まるとズーミングすることはほとんどないですね。駐車場などは目いっぱい広角側、玄関前は来訪者の表情が読み取れるようアップぎみにしています。

 2.8mm の表示に騙されて買った4台セットのカメラは、だんだん使い道が限られてきました。そこで 3.6mm のレンズをもっと焦点距離の短いものに交換することにしました。カメラをバラシてみると、レンズマウントは M12 のようです。ねじ込み式の鏡筒を接着剤で固定してあります。これをカッターナイフでそぎ落とすと、レンズ部分を回して取り外すことができました。

 ゴムパッキンを外すと、レンズに記載されていた焦点距離は 2.8mm ではなく、やはり 3.6mm でした。これをより広角のレンズに交換するわけですが、事はそう単純に運びません。あちこちに落とし穴が待ち受けていました。(つづく)
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