2012/09/06(木)フォーサーズの位置づけは?

 フルサイズと APSC が仲良く共存するとして、別の規格フォーサーズ(4/3、m4/3)はどうでしょうか? APSC 規格は陣営が違うから、フルサイズと APSC が共存するのとは、ちょっと関係が違います。
 4/3(m4/3)は、デジタル時代の新しいフォーマットとして、一定の地位を確保しましたが、高画素化や高感度化への対応がセンサーサイズ的に限界があることから、フルサイズに対抗することは、個人的には難しいと踏んでいます。これは物理的な限界を考慮しての結論です。

 撮像センサーの高画素化で、今後、135 フルサイズ程度の撮像センサーが中判サイズのセンサーに取って代わる可能性が出てきました。その 1/4 の面積しかない 4/3 フォーマットは、フィルム時代の 135 サイズに代わる規格にはなりえても、中判や大判に代わることができないのは自明です。
 4/3 の限界に触れると、どこかの領土問題みたいに反論が噴出しそうですが、フルサイズの 1/4 しかない事実は謙虚に受け入れるべきだと考えます。将来、家庭用カメラにフルサイズも APSC も必要のない時代が来るとしても・・です。

 4/3 クラスのフォーマットには、それに相応した立ち位置があると思います。レンズ交換式のミラーレス機は、そのひとつの提案でした。ニコキャノの牙城を脅かすところまで迫りましたが、それ以上を望むのはないものねだりだと思います。
 当面、4/3 フォーマットの競争相手は、1インチセンサーになりそうです。レンズ交換式のニコン1は、コンデジ感覚のユーザーを取り込むには面白い規格です。これが一眼レフ層を取り込める規格だとは、よもや考えていないでしょう。
 キヤノンは痺れを切らして APSC フォーマットの EOS M を発表しましたが、ニコンは切り札を残した形です。この辺の攻防は、これからの見所でしょうね。

2012/09/05(水)フォーマットサイズの切り替え

 いままで一部のプロやアドアマ層を対象にしてきたフルサイズのデジタル一眼レフが、今月ドイツで開催されるフォトキナで、一気に発表されそうな雰囲気です。もちろん開発発表も含めての話ですが・・・
 撮像センサーのコストが下がってきたのが、追い風のようです。それとミラーレス機の台頭で、一眼レフメーカーの2強に危機感が出てきたことも影響していると思います。早いうちにフルサイズ対応のレンズ資産を武器として有効活用しないと、他社にシェアを奪われてしまう可能性が出てきました。

 フルサイズの一眼レフはいいけど、いままで進めてきた APSC 一眼レフ向けの専用レンズだとイメージサークルが合いません。APSC のボディーにフルサイズ用のレンズが使えたのに、逆は不都合が生じます。
 そこで考え出されたのがクロップ機能です。APSC 専用レンズを装着したときは、フルサイズセンサー中央の APSC に相当する部分で記録する方法です。これを可能にしたのは、撮像センサーの高画素化です。真ん中だけ切り取っても十分な画素数が得られます。

 光学式ファインダーでは、APSC 専用レンズをつけるとファインダー画面の中央ににひと回り小さく表示されます。これが電子式ファインダー(EVF)に変われば、自動的に切り替えて画面全体に表示できます。
 光学式に拘る人はまだ大勢いますが、レンズのイメージサークルを気にせず、そのレンズの画角がそのまま生かせれば、EVF に支持が集まると思います。 APSC サイズの一眼レフユーザーが、抵抗なくフルサイズに移行することで、メーカーにとってもビジネスチャンスが広がるはずです。

 APSC フォーマットの一眼レフが、すべてフルサイズに移行することはないでしょう。APSC 機はミラーレスに徐々にシフトしていくかもしれませんが、当面は残ると思います。フルサイズと APSC フォーマットは、仲良く共存する時代がしばらく続くと予想します。

2012/09/04(火)明るいレンズはFいくつから?

 レンズの明るい暗いは相対的なものです。焦点距離と光学方式で基準が変わります。レフレックス式の超望遠なら F5.6 でも明るいほうです。一方、標準レンズで F3.5 はかなり暗く感じます。
 一般的に F2.8 より F 値が大きいレンズは暗いと感じ、F 値が小さいレンズは明るい部類に入るようです。個人的な感覚かもしれませんが、F2.8 がひとつの基準のような気がします。

 望遠系は、150mm を超えると F2.8 は大口径の部類に入ります。望遠ズームは、80-200mm あるいは 70-200mm クラスで F2.8 通しなら明るいレンズと言えます。
 ワイド系も F2.8 より F 値が小さければ大口径、それより数字が大きければ暗い部類に属します。コストを抑えながら高画質を担保したければ、F4 あたりが無難なところでしょう。昔は 28mm F3.5 なんてのが一番ポピュラーでしたが、最近はあまり目にしなくなりました。皆さん、贅沢になったからでしょうか?

 標準系のマクロレンズは、F2.8 が一般的になりましたが、昔は F3.5 や F4 が普通でした。手元にあるマイクロニッコールは 55mm F3.5 です。専用の中間リングを併用して等倍になるタイプです。無理してないから、写りは確かでした。
 当時、PENTAX のマクロは 50mm F4 でした。他社が文書の複写を想定して収差補正の基準にしていたのに対し、マクロ域を基準にしていました。昔、コシナから 50mm F3.5 のマクロレンズが出ていましたが、安いのにここまで写るか!というくらいよく切れました。
 もし、方眼紙を複写するようなシビアな性能を求めなければ、F4 程度に明るさを抑えた標準レンズで、極めてシャープで低コストなものができるはずです。

 撮像センサーの高画素化は、レンズにも相応の解像力を要求します。高感度化に伴い、F 値の暗いレンズでも実用できるようになれれば、低コストで高解像力のレンズが実現可能です。この路線を推し進めるかどうかは、メーカーの営業戦略次第です。
 この分野で付加価値をつけてもう少し稼ぎたいと思えばできないし、普及を促すことで市場を活性化させたほうが得策と考えれば実現可能です。トイレンズ感覚でめちゃんこ写るレンズをどこか出しませんかね。
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