2008/11/08(土)写真の中の文字
記録としての写真に文字が写っているのは、何ら問題はありません。むしろ文字があることで、記録としての価値が高くなる場合があります。
「映像表現に文字の力を借りてはいけない!」という話を耳にしますが、それはアートの世界の話です。
絵画なら文字を無視して描くことができます。写真は撮影時に省略することはできません。邪魔なら、あとで画像処理で消すくらいですかね。
写真家・臼井薫氏の作品で、よしずに「氷」の旗を掲げた売店の写真がありました。波に千鳥の「氷」の旗が、裏返しになっています。
「氷の字が裏返しとは、さすがですね」と誉めたら、「そうかなぁ、そうは思わんが・・」との返事。この先生、富士山や祭りの写真は見ない!という割には、映像と文字の関係については寛容のようです。
アートとしての映像の中では、文字は一種の記号(マーク)です。言語圏の違う外国人だと意味がわからないことがあります。
洒落たレタリングの横文字が、「便所」だったり「小便禁止」だったりしたらパロディーですね。
日本の中古車は海外での人気が高いそうです。車に日本語が書かれているほうが格好いいと思われているようで、わざと消さずにそのまま乗っているひとが多いとか。
アジアや中近東の国で、「○○工務店」のトラックとか「○○市交通局」のバスにお目にかかることもありそうです。現地のひとにとっては、日本車を表わすマークなんでしょうね。漢字が読めたら消したかもしれません。
結婚式の写真では、文字は大切な役割を持っています。
控え室や披露宴会場に掛けてある、ご両家の名前を書いた看板は、忘れずに押さえておきましょう。