2010/06/19(土)PENTAX 645Dは買いか?

 予約殺到(?)とかで発売延期になった PENTAX 645D が、11 日に市販されました。ネット上では、一般ユーザーの使用レポートが出始めています。
 撮像板のフォーマットが大きいので、写りが悪いということはないはずですが、80 万円前後という価格に見合うかどうかは、意見が分かれるところです。

 アマチュアが比較対象にするのは、135 フルサイズのデジタル一眼レフです。645D は、撮像板の面積が約 1.68 倍あります。画素数は 4000 万画素。数字の上では、135 フル機を上回っています。

 デジタルカメラは、画素数が高いほど写りが良いというわけではありません。1素子あたりの面積が小さいと、ダイナミックレンジが狭くなるなどの弊害が出ます。画素数を上げるのなら、そのぶん撮像板の面積を大きくする必要があります。
 この視点で 645D と 135 フル機を比べてみると・・・

 Nikon D3X は 2450 万画素だから、645D と同じ撮像板面積に換算すると 4116 万画素相当となります。Canon EOS 1DS Mark Ⅲと 5D Mark Ⅱが 3545 万画素相当、SONY α900 が 4133 万画素相当です。
 645D が 44x33mm の CCD で 4000 万画素というのは、それほど無理した数値でないのがわかります。135 フル機の大サイズ版ですね。

 デジタル写真は、表示面積が小さい場合はデータを間引きします。高画素のデータが威力を発揮するのは、大きなプリントにしたときです。
 一般的なホームプリンターで A3 サイズのプリントにした場合、300dpi で 1740 万画素となります。(16.5x11.7x300)
 縦横比率の差異を加味しても 2000 万画素あれば十分です。4000 万画素あれば A2 サイズ(420x594mm)まで解像度変換せずに出力可能です。

 こうしてみると 645D の魅力は、大伸ばしするかどうかで変わってきます。家庭用プリンターで A3 サイズまでしか出力しないのなら、宝の持ち腐れです。トリミングの自由度を手にするために、80 万円の出費はもったいない気がします。
 撮影の目的が写真展への出品とか、焦点距離の長いレンズを広角で使いたいとか、それなりの理由があるのなら高い買い物ではないかもしれませんが・・・
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