2012/03/16(金)小口のポストカード制作

 地方都市の写真店が考案したポストカード貼付機が、街のミニラボ店で使われています。「アトハリ」という方式で、以前は店で材料を直販していましたが、現在は地元の問屋に販売権を譲ったようです。

 方式はいたってシンプルで、まず写真とハガキの間に専用シートを挟み、ラミネーターにかけます。熱で糊を熔かして接着するわけです。あとは4辺をカットすれば、写真入のポストカードが仕上がります。
 専用シートとラミネーターがあれば、簡単に写真とハガキが接着できるので、小口の注文や特急仕上に利用しているミニラボ店があります。

 ラミネーターを使ったことがある人はわかると思いますが、温度の管理をしっかりしないと接着不良を引き起こします。ポストカードも同じです。冷めたら反り返ったり、剥がれたりすることも・・・ ラミとの違いはホコリの影響が少ないことくらいですね。
 専用シートは両面テープより割高ですが、もともと大量制作には向いてないから、問題にするほどのことではないでしょう。

 大変なのは、接着した後の4辺カットです。押切式のカッターでは真っ直ぐ切れないし、ロールカッターでネチネチやっていたのでは、時間と手間が掛かります。
 年賀状のシーズンだけアルバイトを雇う店もあるそうです。1時間に何枚作れるのか知りませんが、仮に時給 800 円で 200 枚だと1枚4円のコストアップです。

 シートもののポストカードを4辺カットする機械があります。送り込んだときにまず両縁がカットされ、横方向に排出するときに残りの縁がカットされます。1枚ずつの半自動式で、価格は十数万円。アルバイトが手で切るより速くて正確です。
 手動でポストカードを送り込むと、両縁を裁断してくれる装置もあります。こちらは投資金額は数万円で済みますが、縦横の差し替えとハンドルを回すのに人力が必要です。

 今回紹介した資材は、いずれも写真店向けの業務用です。個人は、市販の両面テープ(100mm 幅)で貼りつけたあと、定規とカッターナイフですね。

2012/03/15(木)ポストカードの貼付機

 ミニラボ機がある写真店で KG(ハガキ)サイズにプリントしてもらい、ハガキに糊貼りすれば、1枚から写真のポストカードがその日のうちに自作できます。ただし、写真のサイズが若干大きいのと、重量制限(6g 迄)に引っかかるので、四辺を少しカットしないといけません。
 ハガキの最小サイズは 9×14cm です。これより大きくないと、50 円で送れなくなるので、切り過ぎは禁物です。普通は、官製ハガキのサイズから各辺 2~3mm カットすればクリアできるようです。

 ラボ仕上のポストカードは、紙厚の薄い 102mm 幅の専用ロール印画紙を使っています。現像後ロールのまま巻き取って、貼付機にかけてハガキと貼り合せます。薄手の印画紙でも両縁を裁断するのは、貼り跡をきれいに整えるためです。
 貼付方法は2種類あって、ロール状の両面テープを使うものと、液状の糊を使うものがあります。ラボの大半は糊貼り式です。コストが安いからです。糊自体は1枚あたり1円もしないはずです。

 両面テープは1枚あたり数円のコスト増となります。その代わりメンテナンスが楽で、少量の制作にも対応できます。糊貼り式は、使うたびにパーツを洗浄しないと固まってしまいます。1件だけのために機械を動かすのは非効率です。
 ある地域ラボの本店は、貼付機を両方とも設備していて、閑散期は両面テープ式、繁忙期は糊貼り式を使っていました。

 官製ハガキの貼り損じは、コスト増につながるから責任重大です。貼付機の操作は社長が担当していました。
 年賀状を貼り付けるところを見せてもらったら、速いですね。すごいスピードです。でも、ときどきエラーで止まります。それを見越して余分にプリントしてあるそうです。1~2枚を後で再プリするより、そのほうが効率がいいんだとか・・・

 昔、ミニラボ店によく置いてあった両面テープ式の小型貼付機 NPH-1 は、全自動といいながら、しょっちゅう止まっていました。店の人は「人張り付け機だ!」とこぼしてましたが、地域ラボにあった大型の貼付機は、どうやら「社長張り付け機」だったみたいです。

2012/03/14(水)ポストカードの基本料金

 インクジェットプリンターの普及で、写真用印画紙のポストカードを目にする機会が減りました。写真を趣味にしている人からの年賀状でも、インクジェット出力がほとんどです。
 毎年、厚ぼったい写真の年賀状をくれるのは、知り合いの写真屋さんくらいですね。

 印画紙のポストカードは、大量に作ってもコストが安くならないので少量制作向きです。そして写真の画質は一番きれいです。写真入りの個人の年賀状には、最適だと思うのですが・・・
 昔ほど利用されないのは、価格的な問題でしょうか? メーカーラボの値段をみても高止まりです。全盛期には価格競争で激安の店がいっぱいあったのにね。

 写植フィルムで文字を入れていたころは、そのぶんの料金が加算されました。その一方で、文字入れなしの全面写真タイプはプリント代だけでした。近ごろは、判で押したように基本料金が掛かります。
 いまならデザイン料というべきでしょうね。自分でデザインした完全データでも基本料金が掛かるのは、ちょっと合点がいきません。

 全国ネットの某チェーン店で 30 枚作った場合、自作データからでも1枚あたり 85 円以上につきます。店オリジナルで1枚 103 円、キャラクターデザインだと1枚 124 円です。家計に厳しい主婦が、インクジェットに流れるのは無理もないことです。

 生産手段を持つ者が優位に立つのは、産業革命からこのかた変わりませんね。写真のデジタル化と自家プリンターの普及は、一般消費者が生産手段を手に入れた典型的な事例でしょう。
 今年も年賀状をくれたある写真店経営者は、インクジェットでした。小さい店だから、もうラボが相手にしてくれないのかもしれません。
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