2009/02/28(土)ストロボの同調不良

 デジタル一眼レフなどのフォーカルプレーンシャッター機では、ストロボを使用するときにシャッター速度の制限があります。いわゆる同調速度です。

 フォーカルプレーンシャッターは、先幕が開ききったときにトリガーが働いてストロボを光らせます。そのとき後幕が閉まりかけていると、幕切れを起こして画面の一部に光が当たりません。同調不良ということになります。
 小型のクリップオンタイプは、メーカー純正品なら自動制御で同調不良にならないよう設計されています。小型ストロボを使っているうちは、同調速度のことは気にしなくても写真は写ります。

 問題は、外部ストロボです。シンクロコードやワイヤレスシンクロでつながれた外部ストロボは、自動制御が効きません。シャッターが全開する速度を越えると、幕切れを起こします。
 機種によって違いますが、同調する最高速度は、おおむね1/125秒以下になっています。それ以下の速度ならいいわけです。

 実際には、1/60秒に設定します。業務用のストロボは、パワーを稼ぐために発光する時間が長めになっています。小型ストロボみたいに閃光時間が1/1000秒以上ということはありません。遅いものだと1/125秒以下の機種もあります。

 動きの速いもの(例えば小さな子供)だと、ブレて写ることがあります。クリップオンストロボの感覚で使うとハマります。
 畳の部屋で、三脚とストロボを使って撮影したらブレていた・・なんてこともありました。外部ストロボを使うときは、人通りがある畳の部屋は要注意です。

 2灯以上の外部ストロボを使うときは、カメラにつないだストロボの光を受けて、2灯目以降を光らせます。若干のタイムラグがあるので、同調最高速度だと同調不良が起こる可能性があります。
 実戦では1/60秒以下が無難な選択ですね。

2009/02/27(金)ワイヤレス同調と混信

 ストロボのワイヤレスシンクロには、赤外線式と無線式があります。

 1面のスタジオなら、ストロボの閃光だけで同調させることも可能ですが、カメラに直接ストロボをつけることは稀なので、一般的には赤外線ストロボをカメラに装着します。
 この赤外線送信機でチャンネルを設定し、電源部に付けた受け側のセンサーを同じチャンネルに合わせることで、ワイヤレスで複数の電源部を制御できます。簡単な送信機でも、3台の電源部を切り替えて使うことができます。

 無線式は、赤外線の代わりに電波を使って送信します。コマーシャルスタジオで使っているところをよく目にします。写真館は赤外線式が主流ですが・・・
 どちらの方式も一長一短です。赤外線式は、遮蔽物があると光がさえぎられて同調不良を起こします。電源部の前に誰か立っていると、エラーになることがあります。
 無線式は、電波が届く範囲なら同調不良は少ないですが、電波の混信で誤作動することがあります。

 知り合いのカメラマンが、パンの製造工場に出張撮影に行ったときに、この誤作動が起きたそうです。
 複数のストロボとカメラの同調を無線式でやったのですが、いざ本番というときに、製造機械が誤作動して、パンがバラバラと上から降ってきました。工場のひとは大慌てで機械を止めたとか・・・

 原因は不明ですが、彼が言うには無線同調機の電波しか考えられない・・ということでした。シンクロコードと光同調に切り替えて、無事に撮影を終えたそうです。

 病院の中や電車の優先席付近では、ケータイの電源を切ったほうがよさそうですね。パンが降ってくるのと違って、人命に関わります。

2009/02/26(木)複数のカメラでワイヤレス送信

 ケーブル不要の便利さから、今後の普及が見込まれるワイヤレスUSBですが、複数台のカメラを使って画像データを送信する場合は、どうなるのでしょう?

 送信距離が数メートルと短いので、2台以上のカメラから同時に送信することは稀だと思います。でも、アマチュア写真家相手のモデル撮影会なんかでは、数十台のカメラが接近して一斉にデータを送信・・という事態が想定されます。
 それぞれ独自のセキュリティーをしていなかったら、混信する可能性が大です。もうグチャグチャでしょうね。

 結婚式での撮影では、無線でデータを飛ばすのは推奨できません。写っていなかったら一大事です。カメラに内蔵のメモリカードに保存することをお奨めします。
 会場提携のカメラマンも無線は使わないと思います。リスクが大きいですからね。高速転送できるワイヤレスUSBは、距離が遠くなると速度が落ちるし、転送エラーの確率が高くなります。到達距離が10m程度では、広い披露宴会場では使えません。

 観光地の集合写真では、WUSBではなく無線LANでしょうね。到達距離の問題です。
 現在は、撮影後にメモリを引き抜いて、処理設備のある部屋まで走って届けています。次々に観光バスが到着するようなところでは、時間と人の節約になります。
 万一、写っていなくても、押し売りみたいな商売だから、クレームになることはないと思います。事前に予約された撮影なら、メモリに記録すれば済むことです。

 スタジオ写真では、フィルム時代と違って、サブカメラで抑えを撮ることはないかもしれません。それでもワンフロアーに2面以上を構えるスタジオでは、2台以上のカメラが、同時に稼動する場合が考えられます。
 ストロボのワイヤレスシンクロみたいに、チャンネルを設定して、混信を防ぐ方式を採ることになりそうです。
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