2021/01/10(日)年賀状に見るGoToトラベルの功罪

 新年になっても新型コロナの感染は下火になりませんね。下火どころか全国的に記録更新の連続です。緊急事態宣言で規制を強化したところで、飲食業中心に絞った対策では感染拡大を止めるのは難しいとの見方が広がっています。

 感染症を抑えるためには人の往来や接触を控えるのがいちばんです。いまのところこれ以上の特効薬はなさそうです。でも、それでは経済活動が止まってしまい、感染以外の原因で路頭に迷ったり亡くなったりする人が続出する可能性があります。

 人との接触を減らしながら経済活動を止めないという二律背反の目標をどう達成するか? ワクチンの普及や免疫を獲得した人の国民的拡大がなければ、コロナ禍より前の経済状態に戻ることは不可能な気がします。

 第1波がまだ完全に収束しない時点で、前のめり的に緊急非常事態宣言を解除し、税金を投入して GoTo 事業を(これまた前のめり的に)推進した政府の施策は、拙速とのそしりを免れないと思います。(天災じゃなくて人災だわ)

 緊急事態宣言が解除されたら、旅行に行きたい人は行けばいいし、外食したい人はすればいいでしょう。しかし、なにも税金を投入してまで人の往来や接触を推進する必要はなかったのでは? 今年の年賀状にその実態が見てとれます。

 ある知人は GoTo トラベルを利用して全国の離島めぐりをした様子を賀状びっしりに披露していました。北海道から九州まで、なんと 15 もの離島を毎週のように GoTo で旅行したそうです。あるフライトの乗客は自分たち二人だけだったとか。

 プライベートジェットだ、なんてはしゃいでる場合じゃないでしょ。グレタのおネエちゃんが聞いたらなんと言うか…… 「そんなに離島へ行きたきゃヨットにしてちょうだい」とでも言うのかしら。

 本人に悪びれた様子はありません。三蜜を避けるために離島を選んだとか、旅行者が少なくて安心だとか、賢明な選択をしたと言いたげです。国の施策に協力したんだから、他からとやかく言われる筋合いはない、ということでしょう。

 年賀状を書いてるときは、まさかこんな状況になるとは思ってもみなかったんだと推察します。いまごろきっと「黙ってりゃよかった」と後悔しているかもね。「後悔先に立たず」です。

 ほかにも「GoTo で旅行に行ってきた」という記述をいくつか見かけました。旅行好きの人は GoTo を利用しないわけにはいかないんでしょうね。万難を排してでも旅行に行っちゃう。GoTo がなければ我慢したでしょうに…

 国の施策に協力しただけだから委縮する必要はないし、罪の意識に苛まれることもありません。利用した人に落ち度はないわけです。(だから愚策なんだわ!)
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