2011/02/27(日)ライカとツァイスの違い
東西分断で2社に引き裂かれた時代もありました。イエナに残された技術者が、旅の劇団に扮して西側へ亡命した話は有名です。
東ドイツにあったカールツァイス・イエナは、ドイツ統一によってカールツァイス財団の傘下となりました。
ツァイスの特徴は、普通の企業と違い、財団が経営していることです。要するに一般株主がいない特異な形態です。恵まれた労働環境のなかで、世界トップクラスの技術を持つ企業に成長しました。
もうひとつの特徴は、カメラの製造を何度か中止していることです。ツァイス製品の魅力は、カメラボディーよりもレンズの性能にありました。ヨーロッパでは、ツァイスの厳しい検査に通ったレンズには、絶大な信頼が寄せられたと言います。
写真の優劣を決めるのは、カメラ本体よりもレンズにある・・ということですね。
ツァイスの代表的なカメラブランドは、コンタックス(CONTAX)です。レンジファインダー式では、ライカと雌雄を争いました。戦前から戦後にかけて約 30 年ほど生産されています。
一眼レフもコンタレックスの名前で出していましたが、カメラ事業を中止したため、一旦休眠ブランドとなりました。
復活したのは、日本のカメラメーカー・ヤシカとライセンス契約を結んでからです。エレクトロ 35 で培った電子技術が評価されたからだと言われています。
ポルシェグループがデザインした CONTAX RTS は、最新式の自動露出機能を採用した一眼レフでした。しかし、カメラ以上に評価されたのは、ツァイスの交換レンズ群です。解像力至上主義だった日本のメーカーに、多大な影響を与えました。
その後、ヤシカは京セラに吸収されます。ツァイスの技術に魅力があったからでは?と噂されました。デジタルカメラの発売まで至ったものの、京セラはカメラ事業から撤退します。
この時点で、CONTAX は再び休眠ブランドとなりました。