2008/09/03(水)写真店でのデータ保存

 WEBページのなかでも紹介していますが、写真店にはアマチュアではできないデータ保存方法があります。業務用のデジタルプリンターを使ったメディア保存です。

 デジカメのメディアカードからバックアップをとるのは、パソコンを使えば自宅で簡単にできます。CD-RやDVD-Rへのコピーです。
 写真店でプリントするときは、1コマずつ明るさやカラーバランスを補正しながら行います。この補正された画像データをCD-Rなどに、プリントしながら同時に保存するわけです。単なるコピーとは違います。

 画像処理ソフトを使えば、アマチュアでもできないわけではありません。ただし結婚式みたいに何百カットもあるときは、途方もない手間と時間がかかります。
 しかも、補正したデータを自宅のプリンターで刷るとなると、さらに手間と時間がかかります。インクがなくなったら、慌てて買いに走らないといけません。
 大量のデータを補正したり、プリントしたりするときは、業者に頼んだほうが早くて楽です。

 保存できるメディアは、フロッピー、MOディスク、CD-Rなどですが、一般的にはCD-Rです。DVD-Rは、プリンターに装備していなければ利用できません。
 市販のDVDマルチドライブは、そんなに高いものではありませんが、業務用プリンターのオプションドライブは10倍くらいします。セットアップとメンテナンスの費用がかかるからだと思います。

 需要が少ないからと、DVDまで対応していないお店が多いですね。対応していなければ、需要は開拓できません。
 一旦CD-Rにデータを落としておいて、別のパソコンでDVD-Rにコピーすれば済むことですが、そのサービスをしてくれるお店も少ないですね。
 店主いわく、「そんなことはお客が自分でやる」・・ お客が自分でできる程度のことが、業者にできないとは・・ 変な話です。

2008/09/02(火)写真店のプリント

 写真店には耳の痛い辛口の話が続きました。デジタル時代に、アマチュア相手にプリントで食べていくのは至難のワザです。
 街の写真店を支えていたのは、フィルム現像です。デジカメやケータイからのプリントに力を入れても、フィルム現像のダウンをカバーするだけの利益は、なかなか確保できません。原価比率が違います。

 韓国に写真集制作のソフトとテンプレートを写真店向けに供給している企業があります。デジカメプリントだけでは、写真店の経営が成り立たないので、付加価値をつけるために開発したそうです。
 こうした期待に応えて、メニューの拡大に努力する店が出てくるといいのですが、どこの国でも実状は同じみたいですね。

 デジタル時代の写真店は、プリントだけではなく、画像データの変換をメニューに加えるべきだと一貫して提案してきました。その場ではわかったような顔をしていますが、実際に実行している店は少ないですね。
 長い間、現像とプリントを生業にしてきたので、形のないものでお金をもらうという概念がありません。プリントしてなんぼの世界から脱却するのは、言うは易く行うは難しです。

 画像のメディア変換は、昔から写真店のメニューでした。8ミリ映画からVHSやβに、時代が変わるとVHSからDVDにと、ユーザーの窓口になってきました。ビデオテープのダビングで稼いだ店もありました。
 デジタル画像データのメディア変換もこれと似たようなものです。もっと積極的に取り組むとよいのですが・・・

 画像データの変換サービスに消極的な店の言い分は、「そんなことを依頼してくる客はいない!」です。判で押したように同じ答えが返ってきます。
 勉強も努力もしないで、お客が頼ってくるわけがありません。そんな店には、私も頼む気がしませんね。

2008/09/01(月)デジタル時代の写真店

 既存の写真店がデジタル写真に弱いことは、前回指摘しました。
 強がりを言ってみても、デジタルデータからプリントできる銀塩プリンターを持っている・・といった程度のレベルです。銀塩でなければ、そんなプリンターは誰でも持っています。

 デジタルカメラの黎明期に、「画像データの保存に力を入れないと、この時代の写真が後世に残らない」という指摘を各写真店にしたことがあります。
 フィルムや銀塩プリントは退色しても残るけど、インクジェットプリントと画像データは消逸しやすいからです。当時の染料系インクジェットは、すぐに退色してしまいました。

 この提言に耳を貸した写真店は、少なかったですね。ユーザーの思い出を後世に残す・・という使命感に欠けていたように思います。デジカメに走るユーザーは客ではない!といった雰囲気すらありました。
 こうした高慢な姿勢は、銀塩写真でも顕著でした。自店で処理する現像・サービス判プリントには力を入れても、ラボに外注するメニューはおろそかでした。
 大伸ばしプリントを長年放置しておいて、自店のプリンターでプリントできるようになってから宣伝しても手遅れです。大伸ばしに強い店は、ラボ出し時代から力を入れていました。ローマは1日にしてならず・・です。

 極めつけは、「お客がリバーサルの現像を持ってくると腹が立つ」というオヤジもいましたね。自店で現像できないリバーサルなど、どうでもいいという姿勢です。
 いまは、デジカメに乗り換えた客から、手痛いしっぺ返しを食っているはずです。(ひょっとしたら、もう廃業しているかも・・)

 旧来の写真店にデジタル写真を教えてくれとは言わないけど、個人ではできない出力を依頼したいときに、応えられるメニューを用意してくれていたらありがたいですね。
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