2012/07/22(日)デジカメのワイヤレスシンクロ
フィルム時代のカメラはこれで写ったのですが、デジカメだと同調不良で失敗することがあります。発光のタイミングにズレがあるからです。フィルム式では、ストロボ光の TTL 調光はフィルム表面の反射光を利用していました。特殊なフィルムを除いて、乳剤面の反射率が似ていたからです。デジカメの撮像センサーは、こういうわけにはいきませんでした。
そこで考え出されたのが、プレ発光方式です。先に弱い光を出して被写体の反射光を拾い、本発光を制御する方法です。プレ発光と本発光との間にわずかなタイムラグが発生します。これが同調不良を引き起こします。(赤目軽減モードも同様)
PENTAX は P-TTL、キヤノンは E-TTL、ニコンは i-TTL、ソニーは ADI と P-TTL というように、各社で呼び方が違いますが、原理は似たようなものです。内臓ストロボのほかに外付けの専用ストロボが、この制御方式で作動します。
ということは、ホットシューアダプターにシンクロコードをつないでも同じ現象が起こる可能性があります。専用接点でなければ汎用ストロボと判断されるのか、手動で発光モードを変更する必要があるのか、事前にチェックしておいたほうがよさそうです。
手元にあるコニミノ・ナナデジの取説を見ると、調光モードは「ADI 調光」「P-TL 調光」「内臓マニュアル」の3つから選べます。デフォルトは ADI 調光です。選ぶのは内臓マニュアルですね。「内臓フラッシュ等を信号光として他のフラッシュを発光させる・・」とあります。専用シューがどうなるのかは判然としませんでした。普通のアクセサリーシューとは形状が違うので、純正ストロボ以外は想定していないようです。
ナナデジにはコンパー接点がついています。他社の外部ストロボを使う場合はシンクロコードでつないでくれ、ということでしょう。(そうしてます)
プレ発光の解除方法がわからない(あるいはできない)ときは、シャッター速度を遅くします。普通は 1/30 秒くらいまで落とせば同調するはずです。以前、それでも同調しないカメラがありました。1/15 秒でもダメなら諦めたほうがいいでしょう。
2012/07/21(土)外部ストロボのシンクロ接点
「酸化セリウム」の先生と一緒に、アマチュア相手の写真教室を手伝っていたころには、コンパー接点のないカメラを持っている人がいると想定して、ホットシューアダプターを用意しました。使う頻度は少なかったような記憶です。
最近のデジタル一眼レフには、コンパー接点のある機種は少ないみたいです。α900 がなくなってから、ソニーのカメラでコンパー接点の付いた機種は、最近出たα77 だけです。
別売アクセサリーで、シンクロターミナルアダプター FA-ST1AM というのがあります。使いもしない外部ストロボのために本体価格が高くなるのなら、別売にしてコストダウンを図ったほうがユーザーのためです。それにしてもメーカー希望小売価格が 21,000 円というのは、ちょっとボリすぎでは?
ホットシューアダプター FA-HS1AM を使う手もあります。メーカー希望小売価格は 13,650 円。このほかに写真用品メーカーから出ているシンクロ接点付アダプターが要ります。似たり寄ったりですね。
ニコンは D800/E にはコンパー接点がありますが、D7000 から下の機種にはありません。接点が必要な場合は、別売のホットシューアダプター AS-15 を使います。仕様表にきちんと表示し、案内しているところをみると、シンクロ接点を外したことに負い目があるのかもしれません。メーカー希望小売価格は 2,100 円。ソニーの 1/10 です。このあたりは、ニコンは良心的ですね。(ソニーがエグイだけか・・)
キヤノンは、EOS 7D までは外部接点付です。APSC の上位機種だからでしょう。PENTAX は K-5 が接点付き、K-30 が接点なしです。オリンパス OM-D には外部接点は見当たりませんでした。元祖 4/3 規格の E-5 や E-30 とは位置づけが違うようです。
いずれにしてもホットシューを備えていれば、市販のシンクロ接点付ホットシューアダプターで、シンクロコード式の外部ストロボが使えます。始末が悪いのはソニーですね。専用接点のうえに変換アダプターがバカ高いのには参りました。NEX でスタジオ用ストロボを使うのは、非現実的な発想のようです。
2012/07/20(金)日中シンクロについて
なぜストロボを焚くのか聞いてみたら、「アイキャッチを入れるため」という答えが多いのは意外でした。効いても効かなくても光りさえすればいいわけです。鳥の写真じゃあるまいし、針で突いたようなアイキャッチなんて、意味がないと思いますがねぇ。私ならレタッチで消してしまいます。
「肌の発色を整えるため」という答えを期待したのですが、そういう人はほとんどいませんでした。レフ板効果を期待する人はいましたが、発光面積が小さすぎます。レフ板代わりに使う場合は、ある程度の面積が必要です。
正面から直焚きのストロボ光は、立体感がなくなったり、あまり強いと背景が夜景みたいに不自然な描写になったりします。焚くなら適正露光の半分以下、-2EV くらいが隠し味にはいいようです。
窓際で屋外を背景にして、部屋の中から人物を撮る場合は、補助光ではなくてメインライトの役割になります。バウンスやディフューズで面光源にするのが基本ですが、ちょっとした撮影には大掛かりで面倒です。
自然に見せるコツは、屋外の景色を露光オーバーにすることです。部屋の中より外のほうが明るいのが当たり前だからです。それでも人物がシルエットに近い描写になるはずです。それをストロボ光で補います。
フィルム時代は、現像があがってくるまで結果が見えませんでした。露出やストロボの光量を変えながら、何パターンか撮影したものです。結果を見るのが楽しみでした。
デジタルカメラは、その場で結果が確認できます。楽になった反面、撮影が味気ないものになりました。せめて、よりよい結果を出したいものです。