2012/09/18(火)マウントアダプター無用のフルサイズ機
そんな期待を裏切るかのように、ソニーからレンズ一体型のカメラ(つまりコンデジ)でフルサイズ機が発表されました。サイバーショット DSC-RX1 です。レンズが外れないから、マウントアダプターは不要、というか無用です。
カールツァイスの単焦点レンズ、ゾナー 35mm F2 を搭載しています。贅沢な設計です。価格も 25 万円前後と強気です。ツァイスのレンズだけでもそこそこするはずだから、生産台数からみてこんなもんでしょう。これがソニーではなく CONTAX ブランドだったら、文句を言う人は少ないと思います。
ライカに比べれば安い、という声もあるようですが、ライカはライカです。もちろん DSC-RX1 と同程度のカメラがライカから出たら、25 万円ではとても買えないでしょう。
カメラ本体の大きさは NEX シリーズとあまり違いはないみたいです。レンズが固定されているだけですね。これだけのスペックのレンズをハメ殺しにするのは、ちょっともったいない気がします。E マウントの交換レンズで出したほうが、世のため人のためになるのでは?
そんな貧乏人のやっかみをものともせず、ソニーがこのカメラを世に出すことにしたのには、深い事情があると推察します。もし、いきなりフルサイズの NEX を発売したら、非難轟々の可能性があります。フルサイズ対応の E マウントレンズが1本もないからです。A マウントレンズを流用するにしても、AF 対応のマウントアダプターが未完成です。(フルサイズ対応の LA-EA3 は MF)
レンズ一体型なら「レンズがない!」という非難はかわせます。いきなりマウントアダプター遊びで、他社レンズの写りがどうだの、マゼンタ被りがどうだのという理不尽なクレームも起きません。(メーカーはこれが辛い)
それと、もうひとつの狙いはフルサイズミラーレス機の地ならしです。価格帯も含めて市場の反応を見るには、格好の材料だと思います。もしゴーサインが出たらそのときは、ゾナー 35mm F2 は E マウントで発売されるでしょう。
2012/09/17(月)フルサイズ用のマウントアダプター
NEX などミラーレス機の台頭は、今後 APSC クラスのカメラはミラーレスに流れるとの予測を生みました。同時に一眼レフはフルサイズ化するだろうとの読みです。一眼2社としては、レンズ資産を生かし、いまフルサイズで勝負しないと足元をすくわれそうな情勢です。
APSC とフルサイズの共存(あるいは融合)は、ソニーが面白い位置につけています。ミラーレス機は APSC の NEX でヒットを飛ばし、一眼レフは半透過ミラーの採用で、その特長のひとつ位相差 AF を動画撮影時でも可能にしました。
電子式ビューファインダーにシフトし、一眼レフから光学式ファインダーをなくしたのは、思い切りのいい施策です。α900 が売れなかったのが、よほどこたえたのかもしれません。
ミラーレスは APSC、一眼レフはフルサイズに分かれるとの予測に反し、フルサイズの E マウント機が発表されました。ハンディカム NEX VG900 です。マウント径からフルサイズ対応は可能とみていました。まずはムービーから攻めてきました。E マウントでフルサイズ対応のレンズがないのに発売に踏み切れたのは、カメラメーカー以外のレンズを使うのが常態化しているムービーだからでしょう。
現行のマウントアダプター LA-EA2 は、半透過ミラーを使って A マウントのレンズでオートフォーカスを実現しましたが、今回同梱される LA-EA3 は、マニュアルフォーカスのみです。フルサイズに対応するためにミラーを入れるスペースが確保できなかったからでしょう。AF 以外は電子接点で連動するようです。
もしスチール写真用の NEX でフルサイズ機を出すとなると、A マウントレンズの AF 対応は必須条件だと思います。一般の写真愛好家は、ムービーのプロやアドアマほど我慢強くありません。手動絞りやマニュアルフォーカスが当たり前という認識はないからです。
半透過ミラーで位相差 AF ができないとすると、撮像センサー側でピント合わせをするしかなさそうです。像面位相差 AF 技術が進歩すれば、アダプター経由での制御も可能でしょう。次は LA-EA4 ですか・・・
2012/09/16(日)ミラーレス機のセンサーサイズ
一方ノンレフレックスタイプは、ひと口にミラーレス機といっても機種によってターゲット層が異なります。コンデジ感覚のものもあれば、デジイチのサブ機といった位置づけの機種もあります。デジイチのサブ機は APSC フォーマット、コンデジからのグレードアップは、1インチかそれより小さなフォーマットと見ることもできます。m4/3 はその中間で、機種に因るみたいです。
PENTAX Q は、普及タイプのコンデジと同じ 1/2.3 インチの小さな撮像素子を採用しています。世界最小最軽量を謳うには、いいところに目をつけたと思いますが、デジイチのサブ機にはいかにも見劣りするスペックです。HOYA 時代の遺物として、バッサリ切るのかと予想していましたが、Q10 の発表で継続が濃厚になりました。
コンデジからの乗換えを狙うには、面白い位置につけています。初代 Q がお高くとまっていたことを思うと、予想売価がこなれてきた感じです。望遠ズームも同時に発表されました。
これは全くの個人的な妄想ですが、PENTAX Q はもう少し大きなフォーマットサイズを想定して設計されているのではないかと踏んでいます。マウント径からみて、1/1.7 か1インチ程度の撮像素子なら対応できそうです。とりあえず最も小さいコンデジサイズのフォーマットで様子見をするつもりだったのでは?
Q10 が発表されたのにもかかわらずそう考えるのは、EVF を搭載していなかったからです。EVF 搭載機は、もう少し大きな撮像素子になると踏んでいます。クロップモードで、1/2.3 インチ用のレンズもそのまま使えるからです。今回同時発表の望遠ズーム 15-45mm F2.8(135 換算 83-249mm)のイメージサークルがどのくらいあるのか、興味があります。2万数千円の予想売価では、あまり大きな期待は持てないかもしれませんが・・・
フランジバック 9.2mm は、ミラーレス機で最短です。展開次第で大化けすると考えるのは、読みすぎでしょうか? EVF がフォーマットサイズの違いをカバーする切り札とみるのは、私ひとりではないと思いますがねぇ。