2012/03/27(火)沈胴式のレンズ

 ミラーボックスのないカメラの交換レンズに「沈胴式」というのがあります。普段はボディーの中に収納されていて、撮影するときに引っ張り出して使います。L マウント時代のライカに利用されていました。

 ミラーボックスのない K マウントカメラ PENTAX K-01 なら、沈胴式のレンズができそうです。撮影時にミラーに干渉しない設計であれば、従来の一眼レフでも撮影できます。要は沈胴させなければいいわけです。K マウントでミラーレス機専用というのは、営業政策的に不利です。

 ビオゴンみたいな前後対象形のワイドレンズは、一眼レフには不向きです。昔、他社でミラーアップして使う超広角がありましたが、すぐにレトロフォーカスタイプに替わりました。ファインダーが外付けでは、一眼レフの特長が生かせません。
 後玉が出っ張っている超広角レンズは、デジタル式の撮像素子が苦手なタイプです。周辺光量の低下と色被りが出やすいのが難点です。K マウントのミラーレス機で、この手のレンズが供給されることはないでしょう。

 40mm(換算 60mm)のビスケットレンズはすでにあるから、沈胴式で出すとすると何ミリがいいでしょうか? ローパスフィルターなどの関係で、フランジ面から 4cm 程度しか沈胴できないとして、全長 5cm くらいの長さに収めるとなると限られます。
 それとオートフォーカスをどうするか?です。マウント内径に収まる太さの鏡筒にレンズ内モーターを組み込むのは、かなり無理がありそうです。

 K-01 はミラーがないだけで、ボディーの厚みは他の一眼レフと同じです。レンズをいくら薄くしたところで、他社のミラーレス機よりも大きいことに変わりはありません。
 苦労して沈胴式のレンズを開発しても、売れるかどうかは疑問です。今回の思いつきは、実現性に乏しかったみたいですね。
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