2010/09/01(水)デジタル画像処理で増感

 コントラストの低い露光アンダーの原板を複数枚重ねて焼く、コンポジット法という暗室技術があります。天体写真のプリントでよく使われていました。
 デジタル写真でも同様の技法が使われています。冷却 CCD カメラを使い、3色分割露光で撮影した画像を合成するときに、RGB 各色ごとに数枚の画像を重ねます。画質が飛躍的に向上します。

 このやり方は、一般撮影でも通用しそうです。動かない被写体には有効です。長時間露光はノイズが増大するので、無理な露光はせずに、カット数を多くして合成する方法です。
 そこまでして写す必要のある被写体かどうかが問題ですが・・・

 デジカメの黎明期には、暗い場所での撮影はフィルムのほうが有利とされていました。無理に感度を上げると、コントラストのないザラザラの画面になってしまいます。
 ところが、最近のデジカメは、高感度でも結構写ります。フィルムの限界よりも高い ISO 6400 とか ISO 12800 という超高感度での撮影が可能になりました。

 さすがにそこまで感度を上げると、ノイズの発生が気になりますが、見られないほどではありません。高感度フィルムでも増感現像で上げられる感度は、ISO 3200 くらいが限度です。ISO 6400 以上で、一応見られる画像が得られるのは、驚異的なことです。

 デジカメの高感度化は、撮像素子の改良と、ノイズリダクションなど画像処理エンジンの進化が牽引役です。デジタル画像は、カメラ内部で「現像処理」されるので、増感技術がモノを言います。
 今後は、裏面照射型センサーの導入と相まって、さらに高感度化が進むと予想されます。高感度では、デジタルはフィルムの画質を超えたようです。
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