2012/12/25(火)自由雲台の使い道
雲台は大きく分けて、回転軸が二つ以上あるパーン棒つきのものと、フリーストップのボールヘッド式があります。後者は自由雲台とも言います。
個人的には、三脚を使う目的の大半はカメラの固定だから、自由雲台はあまり使いません。水平垂直のほかに傾斜を個別に変えられる 3WAY のパーン棒タイプを常用しています。構図をセットする時間は自由雲台のほうが早いし、一旦固定してしまえば動かないのはどちらも同じなのですが・・・
後からカメラを一方向に少しずらしたいときは、3WAY 式のほうが便利です。例えばブツ撮りで、部分アップするときに上下の角度を少し変え、また元に戻す作業を繰り返し行う場合は、一方向の操作だけで済みます。
自由雲台だと毎回一からやり直すのと同じくらい手間が掛かります。素早く構図が決められる反面、同じ操作を繰り返すときの反復性と緻密性に欠けるのがボールヘッドの弱点です。後からトリミングするからフレーミングはアバウトでいい、というのなら自由雲台で十分ですが・・・
三脚を扱い慣れていない初心者は、回転軸が多い 3WAY 式だと、どれをどう動かしていいのかわからないみたいで、操作がぎくしゃくしている光景をよく目にします。雲台の操作は案外難しいみたいです。
その点、自由雲台はストップレバー(ネジ)が一つしかないので、操作で迷うことはないでしょう。もし迷うとしたら、好き勝手な方向にカメラが動いてしまうことくらいです。
いまどきのデジカメには、電子水準器や水平矯正機能が搭載されているものもあります。背面モニターで確認する場合は、カメラの向こうに被写体が見えているので、フレーミングが楽にできます。操作する箇所の多い 3WAY 雲台よりも自由雲台のほうが使いやすいかもしれませんね。
天体写真を撮っていた中学生のころには、国産で使い物になるのはスリックのバル自由雲台くらいでした。そのことを思うと、いまは高性能のものが大小揃っていて、どれにするか迷うくらいです。選定のポイントは、なるべくボールの大きなものにすることです。
2012/12/24(月)一脚の利用価値はあるか?
もうひとつ、カルマンの三脚で、脚を1本外してセンターポールとドッキングすると一脚になるという変り種があります。これも実際に外して一脚で使った記憶はないですね。「こういうこともできる」と、アマチュア相手に実演したことはありますが・・・
三脚を使うのは、手ブレを防ぐ意味合いもありますが、カメラを固定するのが主な目的です。一脚は手を離したら倒れてしまうので、この目的には使えません。だから利用頻度が低くなります。
一脚が重宝するのは、観客席から舞台撮影するときや、サンニッパなどの重たい望遠レンズをサポートするときです。基本的に手持ちだけど、手ブレ防止とカメラ保持を兼ねて使うわけです。
ただし、三脚の脚を開かずに使っても似たようなものです。一脚は高さの調節が脚1本で済むだけですね。三脚はエレベーターでも調節できます。従って、ここでも一脚の出番が回ってこないことになります。
一脚を手ブレ防止で使うときは、地面に垂直に立てずに石突を前に出すようにします。自分の足2本と合わせて三脚にする形です。そのためにはアイレベルの高さより少し長めになる製品でないと、猫背の姿勢で撮影することになります。短い一脚は座って撮影するとき以外は、使いにくそうです。
一脚を畳んだ状態でスリングバンドを肩にかけ、脚を小脇に抱えて手ブレ防止の補助具にすることもできます。カメラを固定するのには向かないものの、手ブレ防止の役には立ちます。
利用頻度が少ないとはいえ、手元にある一脚は気に入っています。マーク7と同じ脚を使った MUP-4 です。この一脚のいいところは、パッキンが二段締めになっていて脚を伸ばしたときにクネクネしないことです。この点はジッツォの一脚よりも優秀です。3本脚のマーク7は重たいけど、一脚なら 1/3 以下です。気軽に持ち出して、もっと使ってやらないと・・・
なぬ、いまはもっと軽いカーボンの一脚がある? メーカーには悪いけど、モノポッドに3万円も出して新たに購入する気はないですね。
2012/12/23(日)マーク7のサポートは終了?
メーカーサイトを見たら、マーク7シリーズのサポートは終了になっていました。ブラックモデルだけは現行品としてカタログに載っています。こちらはまだ大丈夫のようです。
ブラックは、昔は写真学校用の限定モデルでした。プロユースはグレーやグリーンよりも黒のほうが向いています。スタジオ撮影で被写体に映り込む確率が低いからです。どうしてブラックモデルが学生専用になったのか不思議ですが、一部のプロには提供していたかもしれません。
外装の色は違ってもパーツは共通だから、故障箇所によっては修理は可能だと思います。ただし、初期のモデルは部品がかなり違うようです。金型を作り直したので採算が悪いような話をメーカーの人から聞いた記憶があります。見分け方は、パーン棒の差込口の真鋳部品が薄いのが初期モデル、厚いのが改良モデルです。手元にあるのは改良型ですが、20 年は経っていると思います。
この手の三脚は壊れにくいから、大事に使えばまだ大丈夫でしょう。砂が噛んだり、水に浸かったりしたときは、自分でバラしてリペアするのが原則です。ハスキーはパッキン類まで市販していました。いまでもどこかに3段分1セット残っているはずです。
「酸化セリウム」の先生のところにもマーク7があります。ショートタイプの4段でしたが、自分で改造して5段にしてあります。1段細いパイプをパーツで手に入れ、切り詰めて5段目にしたそうです。バラし慣れているせいか、プロは三脚の構造をよく知ってますね。
いま私がメインで使っているのは3段式のカルマーニュ 730 ですが、手元に残っている箱は 840 です。どちらも B 級品の出物が手に入ったので、730 のほうを「酸化セリウム」の先生に譲りました。後から「4段でもやっぱり太いほうがいい」と言うので交換してあげました。プロは太いのがお好きなようで・・・
こちらは5段に改造しなかったみたいです。