2008/01/24(木)フィルムの準備は早めに!

 昨日、久しぶりに知り合いの写真屋さんに顔を出しました。「フィルムで撮るひとが減った」とこぼしてました。フィルムワゴンに並べてある種類も本数もずいぶん少なくなってました。

 本サイトで結婚式用に推奨しているISO800のフィルムは、置いてなかったです。PRO400は業務用に近い品種なので、「写し」をやっていない写真屋さんには、まず置いていないと思います。でも、ISO800が1本もない!というのは意外でした。
 フィルムカメラはシーンごとに感度を変えられません。デジタルカメラは高感度対応が進んでますから、対抗上フィルムも高感度のものにシフトすべきだと思います。いままで主流だったISO400だけ並べられたワゴンを見て、ちょっぴり寂しい気持ちになりました。

 へたに在庫を持って期限切迫や期限切れになるよりは、その都度取り寄せてもらったほうが新しいフィルムが手に入ります。でも、フィルムの準備は早めにしておいたほうがいいようです。最近は、メーカー販社も少量の注文だと送料を取りますから、ある程度注文がまとまるまで取寄せてもらえないからです。

 ISO800のフィルムには雅子さまご成婚のときの逸話があります。(本来は「皇太子殿下御成婚の儀」というべきですが、俗世は花嫁中心なのでよしとしましょう)
 当時、ISO800のフィルムは市販されていませんでした。儀式の場所がかなり暗いことは判っていたので、報道カメラマンは「写ルンです800」を大量に買い込んで、暗室でフィルムだけ抜き取って使いました。さすがプロです。
 ドル箱の「写ルンです」を優先して、「ISO800のフィルム単体での発売予定は当面ない」と言っていたFUJIFILMは、報道陣の要請で後日発売に踏み切ります。「イソ800ならぬウソ800だ」と皮肉るひともいたとか・・・
 

2008/01/23(水)よいカメラとは?

 このサイトを立ち上げる前に、知り合いの写真館の先生に話をしたことがあります。その先生いわく、「そんな記事を書くくらいなら、どういうカメラを買ったらいいか教えたほうがよっぽどマシ」・・・なるほど!と妙に納得してしまいました。最近のデジカメは、すごいですからね。

 心に残る思い出の1枚を撮るには、どういうカメラが良いのでしょう?

 1月20日まで、名古屋市にある「ノリタケの森」ギャラリーで、増山たづ子さんの写真展をやってました。増山さんといえば、日本最大の徳山ダムに沈んでしまった旧徳山村で、民宿を営んでいたことで知られています。
 すでにお亡くなりになり、遺作展の形で開催されました。当時撮られた写真には、ふるさとの風景や村民の暮らしが記録されていて、見るひとに郷愁と感動を与えます。

 彼女が愛用していたのは、ピッカリコニカでした。35ミリ判のコンパクトカメラで、カメラに初めてストロボが内蔵された機種です。レンズは38mm/F2.8の単焦点、ピントは目測のゾーンフォーカスです。フィルム巻上げは手巻き式でした。けっして高級機とはいえないカメラです。
 増山さんの話を聞きつけて、当時のコニカがAcom1(エイコムワン)という一眼レフを贈りましたが、「わしゃぁ、こんな難しいカメラはよう使わん」といって、ピッカリコニカで撮り続けたそうです。そのころ一眼レフ市場で苦戦していたコニカの担当者は、「ピッカリコニカでもいいけど本心はエイコムを使ってほしい・・・」とこぼしてました。

 このことを取り上げて、「カメラは何でもいい」と結論づけるのは間違いです。増山さんという人物と、手軽に使えるピッカリコニカという組み合わせがあって、あの写真が残ったわけです。何でもよければ、エイコムのほうがよく写るはずですから。
 本サイトでは、上手な写真を撮るために、何が何でも一眼レフを推奨することはしません。そのひとなりに使いやすいカメラ、使いこなせるカメラが一番よいと考えるからです。

 時が経ち、増山さんはお亡くなりになり、コニカ(現コニカミノルタ)はカメラ事業から撤退しました。残ったのは、増山さんが撮り貯めた膨大な量の写真です。
 写真の本質は、やはりその記録性にあると思います。カメラは、そのための道具でしかありません。

2008/01/22(火)フィルムは残らない

 フィルムは残らない・・・そう聞いて、「アァ、とうとうアナログの写真は終わったか!」と早とちりしないでください。いずれは一般消費者が目にすることがなくなる時代が来るでしょうが、まだ市中にフィルムは出回ってますから。

 「フィルムは残らない」というのは、結婚式の写真みたいな頼まれた撮影のフィルム原板が、手元に残らないことを言いたいわけです。いままで、仕事ではないにせよ、ずいぶん多く結婚式の撮影をしてきましたが、手元には何も残っていないのです。
 デジタルの時代になって、写真画像の同画質でのコピーが簡単にできるようになり、ハードディスクの片隅やCD-Rの形で手元に残るようになりました。親戚の叔父伯母はともかく、若いゲストへの返礼には、プリントではなくCD-Rのコピーを渡したほうが、気がきいているかもしれません。コストも安いですし。

 本サイトに掲載されている結婚式の写真画像は、実は大半がフィルムで撮影されたものです。もちろん手元にフィルム原板は残っていません。原板を当事者から借りてくればいいわけですが、「この写真はダメ」とか「この顔はイヤ!」とか注文されても困るし、編集権を握られる可能性があります。子供が生まれても、まだ花嫁気分でいるかも知れないし・・・

 なぜフィルム原板がないのに手元に画像データがあるかというと、ブライダル写真集を作ったからです。フィルムからデジタルデータに変換して作業をしたので、CD-Rの形で手元に残りました。本編でも紹介した「同時CD書込み」というやつです。
 フィルムスキャナでいちいち画像を取り込まなくても済みました。あれって、結構時間が掛かりますからね。

 写真屋さんで、同時プリントと一緒にCD-Rを作ってもらったわけですが、WEBページ本編でも触れたように、このときの画像データはL判程度の大きさしかありません。通常4ベースと呼んでいる150万画素から200万画素程度の画質です。
 写真屋さんが持っているデジタルプリンタによりますが、16ベース(600万画素)で記録できる機種もあります。しかも、JPEGだけでなくTIFFで記録できる機能もあります。めちゃんこ時間が掛かるので嫌がられますが・・・

 このときは、「仕上げ時間を急がないので暇なときに・・・」とお願いして、一旦4ベースのTIFFデータで全コマをCD-Rに焼いてもらいました。後でセレクトしたコマだけ16ベースのTIFFで書込みを依頼しました。大サイズ用です。かなり大変だったと思います。ありがとね、店長さん。

 大半の写真屋さんは、自店の機械で何ができるのかを知りません。ただ黙って4ベースのJPEGデータをせっせと書き込んでいるだけです。話が通じる懇意な写真屋さんがあれば別ですが、16ベースだのTIFFだのといった注文は、やめといたほうがいいと思います。書き直しできないCD-RならJPEGでも安心だしね。
 大サイズ用は、フィルムスキャナか高性能のフラットベッドスキャナで取り込みます。数コマなら大した手間ではないですから。極端な画像処理をしないなら、JPEGで十分です。TIFFは読み込むのに時間が掛かります。

 フィルムの話は、上級者を対象にしています。初心者はデジタルカメラで撮影してください。ご存知とは思いますが、ケチって画素数を落として使わないようにね。ケータイでも500万画素の時代ですから・・・
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