2008/09/26(金)ストロボの降雪現象

 ストロボ撮影では、レンズやフードのケラレ以外に予想外の現象が現れることがあります。画面に白い雪のようなものが写る「降雪現象」です。

 この現象は、レンズとストロボの距離が短い場合に出ます。「写ルンです」でたまに見受けらましたが、デジタル時代になってコンパクトカメラのサイズが小さくなったのことで、出現の可能性が増えました。
 画面に真っ白な円形のボケが写ることがあります。まるで雪が降っているような感じです。

 この現象は、レンズ直前のホコリにストロボの光が反射して写るのが原因です。ホコリは目に見えないから、なんでこんなことになるのか理解できません。
 目立たないところなら気がつかずに見過ごすでしょうが、顔のド真中に現れたら誰だってビックリします。ほかの写真を注意深く見てみると、どこかに写っていた!ということもあります。

 大抵は、畳の部屋で宴会をやっているような場面が多いですね。大勢がドタバタ動くから大量のホコリが舞い上がります。
 レンズ直前のホコリにストロボの光が当たると、反射角が合ったときには白く輝きます。レンズのすぐ前だから白い円形のボケになって写るわけです。目では何も見えてないのに不思議ですね。

 一眼レフの内蔵ストロボは、レンズのすぐ前がレンズ自体の陰になるから、降雪現象はまず出ません。レンズとストロボが隣接しているコンパクト型特有の現象です。
 ストロボの照射角から外れた位置でも、プロテクターのフチから洩れてくる光があるので、これが悪さをしていると考えられます。外付けのストロボをヘッドダウンしたら出たという話は、いまのところ聞いたことがありません。
 

2008/09/25(木)ストロボのケラレ

 最短撮影距離が近くなって、便利になりましたが、ストロボ撮影では注意が必要です。とくに一眼レフに内蔵のストロボでは、ケラレが生じる可能性があります。

 離れた被写体を撮るときには、ストロボのケラレは現れません。至近距離では、被写体がレンズやフードの陰になることがあります。横位置画面で下のほうに半円形の影が写る現象です。
 最近流行りの花形フードは大きいから、とくにケラレが起きやすいですね。

 ストロボ光は事前に目で確認できないので、撮影したあとで気づくことが多いですね。デジカメならすぐに結果が確認できるけど、フィルム式だったらアウトです。
 カメラの説明書に注意書きがあるはずだから、手持ちのレンズでどのくらい近づいたらケラレが出るかチェックしておくとよいでしょう。

 外付けのストロボは、レンズの光軸と発光部の距離が離れるから、ケラレは出にくくなります。首が振れるタイプは、ストロボ自体の背が高いので、近距離撮影でのケラレ防止に役立ちます。
 照射角度が少し下げられる機種だったら、ヘッドダウンして使います。近くの被写体が照射角から外れるのを防げます。(撮ったあとで元に戻すのを忘れないように!)

 首が振れるストロボは、天井や壁にバウンスさせて撮ることができます。この方法ならケラレはまず出ません。天井や壁の広い面積から反射してくる光で撮るので、影が柔らかくなります。
 気をつけるのは、天井や壁の色です。白なら問題ありませんが、色がついているとその色が被写体に被ります。それを百も承知で、特殊効果を狙う手もありますが・・・

 このサイトの本文でも、外付けのストロボは首の振れるタイプを推奨しています。値段は高いけど、それ相応のメリットがあるからです。

2008/09/24(水)向上する近接能力

 交換レンズの近接能力は、時代とともに向上しています。設計者はこれで目いっぱいと思っても、使う側からの要求が絶えずあるからです。

 レンズのスペックを拡大するのは、技術の進歩とコスト軽減の努力が必須です。70-200mmよりも、きっちり3倍ズームの70-210mmのほうが、かなりのコスト高になります。望遠側でたった10mmの違いが、設計者に想像以上の負担を負わせる世界です。

 大きくて重くて価格が高くてもよければ、理想のスペックに近づけることは可能です。人工衛星に1個載せるだけなら、市販品を越えるスペックのレンズを作る意味はありますが、量産モデルは売れなかったらアウトです。
 コストを抑えながら性能を向上させるためには、ある程度の時間が必要です。光学製品は、家電品のようにコロコロとモデルチェンジできる商品ではありません。

 以前このブログで、タムロン28-200mmの初期モデル(71A)が最短撮影距離2.1mだったことを話題にしました。200mmはともかく、28mmで最短2.1mというのは実に使い辛いスペックです。
 メーカーは、別売だったプロクサーレンズを添付扱いにして凌ごうとしましたが、別付けするのはかなり面倒です。近距離撮影が多いスナップ撮影には使えません。

 それが最新モデルのA031は、最短撮影距離0.49mです。ここへくるまでに10年以上の歳月を要しました。
 わがままなユーザーの要求を満たそうと努力を続ける設計者に、感謝しないといけませんね。
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