2008/08/15(金)結婚指輪の撮影_3

 コマーシャルフォトの真似をして、にわかスタジオで苦労して指輪を撮るよりも、結婚式当日に撮影したほうが手っ取り早いようです。

 ブライダルフォトのプロがよくやる手口は、新郎新婦の手を重ねて、指輪を中心にアップで撮るやり方です。挙式が終わったあとの僅かな時間に、具体的に指示してセッティングします。
 ついでに顔の位置まで手を上げさせて、ツーショットで撮っておきましょう。

 挙式会場で撮影できるのなら、式が始まる前に、リングピローに載った結婚指輪を撮っておきます。リングピローが借り物だと、後で撮影することができないので、挙式前に撮るのが原則です。
 宣誓書にサインする羽根ペンなども、このときに押さえておきたいですね。

 結婚指輪の写真は、この3カットを押さえておけば、アルバム作りには事足ります。
 乾杯のときにグラスを持った手のアップとか別のショットも狙えるけど、左手で持つことはあまりないですね。新郎新婦に頼んで、撮影用に演技してもらうしかないでしょう。

 演出するのなら、グーを握った左手を重ね合わせて前に突き出し、ツーショットで撮るやり方もあります。ワイドレンズなら前に突き出したこぶしに光る指輪が強調されて、パンチのある写真になります。
 ピントは、指輪に合わせたカットと顔に合わせたカットの2通りを撮ります。どちらがいいかは、結果次第ですね。

 ワイドレンズでの近接撮影では、ストロボの直焚きはご法度です。遠近での明暗差が強すぎるからです。レンズ鏡筒によるケラレの問題もあるしね。

2008/08/14(木)結婚指輪の撮影_2

 何とか工夫して、やっと指輪のレイアウトが決まり、いよいよ撮影です。
 撮った画像をよく見ると、広告に載っている指輪の写真とどこか違います。貴金属の質感がイマイチですね。

 指輪の撮影で一番やっかいなのは、周りのものが指輪に映り込むことです。平面でなく曲面なので、角度を変えても問題は解決しません。
 指輪の広告写真は、指輪専門のプロが撮影しています。商品の周りをディフューザーで囲って、外側からライティングして撮影します。被写体は小さいけどセットは大掛かりです。

 フランスのプロは、広い部屋の壁面をライティングして、その壁を指輪に映り込ませて撮るそうです。狭いスタジオでネチネチやっている日本と違って、スケールがデカイですね。
 日本でよく使われるのは、円錐形をしたアクリルのドームです。先端がカットしてあって、そこからレンズを覗かせて撮影します。コピースタンドの上で撮影ができるので便利な道具です。

 アマチュアが撮る場合は、そんな気の利いた道具はないので、トレーシングペーパーを丸めて円錐形のドームを作ります。ハサミとセロテープがあれば簡単に作ることができます。
 暑いからと扇風機を回せないのが辛いけどね。

 周りをグルリと囲めば映り込みの問題は解決します。
 スプーンやナイフなら、ダーリングスプレーで反射を抑えることができますが、指輪は小さすぎて使えません。パラフィンの微小な粒を吹きかけるため、ある程度の大きさがないと粒が目立ってしまうからです。
 後のクリーニングも大変だしね。

2008/08/13(水)結婚指輪の撮影

 ブライダルグッズのなかで結婚指輪は、一番小さい部類でしょう。小さいだけけに撮り方に工夫が要ります。
 ブライダル誌に載っている結婚指輪の写真は、それ専門のプロが撮影したものです。真似して撮ろうとしても、なかなかうまくいきません。

 指輪の固定にはワックスと呼ばれるものを使います。パラフィン(蝋)の一種で、ハードとソフトの2種類があります。どちらがいいかは好みの問題です。
 カッターナイフで米粒大に切り、指で丸めながら柔らかくして指輪の底につけ、土台に固定します。倒れたり転がったりしないようにするためです。
 その辺には売っていないシロモノですが、お子様向けの蝋粘土でも代用できないことはありません。できれば無色のものがいいですね。

 被写体が小さいのでマクロ撮影になります。専用のマクロレンズがあると便利です。なければできるだけ拡大率の高いレンズを使います。
 近接撮影は被写界深度が浅くなるので、かなり絞り込む必要があります。照明のパワーを要求する被写体です。小さいからといって侮れません。
 電球照明ならスローシャッターになるから、しっかりした三脚が必要です。

 結婚指輪は新郎用と新婦用の2つあります。被写界深度が浅い撮影なので、どちらにもピントが合うように並べなければなりません。小型カメラではアオリはできないから、思い通りにレイアウトするのは難しいですね。

 リングピローを使えばワックスは要りません。斜めに構えると片方にしかピントがこないので、リングピローを回しながら両方にピントがくる位置を探します。真上からならほぼ等距離になるけどね。
OK キャンセル 確認 その他