2008/08/12(火)家庭での商品撮影_3

 ウェルカムボードなどの大きなものを撮影するのは、室内よりも屋外が向いています。直射日光が当たらない明るい日陰なら、無難に撮れます。

 屋外では雰囲気が出ないというなら、室内でそれらしいセッティングをして撮ることになります。
 照明で大事なことは、光源の種類を混ぜないことです。自然光か蛍光灯、白熱電球のどれかに統一します。蛍光灯と他の光源は、とくに相性がよくないです。自然光と白熱電球の組み合わせは、室内の雰囲気を出すのに使うことがありますが・・・

 蛍光灯や白熱電球で撮るときは、ホワイトバランスをマニュアルで設定します。白熱電球なら電球モードに固定します。
 蛍光灯には種類があるので、品種に合ったモードに設定します。大抵は、白色と昼光色の2つのモードがあるはずです。なかには3~5モードの機種もあるけどね。

 蛍光灯の種類は、管にFL-Wの記号があれば白色、FL-Dなら昼光色です。目で見て大差がなくても、種類を混ぜて使うのはご法度です。
 フィルムカメラなら赤紫色のフィルターをかけますが、それとおなじことをデジタルカメラの内部処理でやってるので、自然光や白熱電球が混ざるとそれにも補正色が被ります。光源を混ぜてはいけないのは、こうした理由からです。

 もうひとつ気をつけるのは、ガラスの反射です。ウェルカムボードにはガラスがはまっていることが多いので、映り込みに注意します。
 どこを向けても映り込むようなら、映っている場所に黒い紙か布を張ります。黒を映し込むことで、映り込みがないように見せるわけです。結構大掛かりですね。

 目障りでない程度の映り込みなら、あっても構いません。ガラスがはまっていることがわかって、かえってよい場合があります。

2008/08/11(月)家庭での商品撮影_2

 掌に載る程度の小さな商品を撮影するには、窓際が便利です。光の方向と質が小物の撮影に向いているからです。

 人物と違って、商品撮影は正面から光を当てません。斜め後方からの光が重要な意味を持ちます。窓際の光は後方からの光になるので、立体感を出すのに適しています。
 光源は太陽の反射光なので、色の濁りが少なくAWBモードでも十分な発色が得られます。ただし、直射日光は避けたほうが無難です。直射日光は点光源だから手前に強い影が出ます。

 窓側からの光だけだと、商品の手前側が陰になって暗くなります。レフ板で光を戻して全体のバランスを整えます。
 レフ板は白い紙でもいいけど、発砲スチロールが最も適した素材です。あのザラザラした表面が、光を適度に散乱させるからです。色の濁りもありません。梱包材などで適当な大きさの発砲スチロールがあったら、捨てずに残しておくと役に立ちます。

 特別なライトや道具なしで簡単に撮れるこのやり方は、失敗がなくお奨めの撮影法です。欠点は、夜間に撮れないことです。
 それと、撮影時には室内の明かりを消すことを忘れないように。シャドー部に室内照明の色が被るからです。蛍光灯なら緑色、電灯なら黄色が被ります。

 背景は、適当な紙か布を利用するとよいでしょう。色のついた素材は、照り返しで敷物の色が被写体に被ります。被写体を傾けるなどして反射角が合わないようにすれば、回避できます。

 ブライダル写真集に載せる小物の写真は、このやり方でほとんど撮影できるはずです。ウェルカムボードなど大きな被写体は、ちょっと難しいけどね。

2008/08/10(日)家庭での商品撮影

 インターネットのオークションが流行るようになって、家庭で商品撮影するひとが増えました。ネットオークションに出ている写真の大半は、こうした素人写真です。

 元コマーシャルフォトのプロだった「酸化セリウム」の先生は、オーディオに凝っていて、カートリッジや真空管などをネットオークションで入手しています。
 「やっぱり写真が決め手だ!」とか言ってました。同じ品物でも、雑な写真ときちんと撮られた写真では価値が違って見えます。大抵はよく撮れているほうが値段も高くつけてあるとか・・・

 プロだけあって、写真を見る目は厳しいですね。「この出品者はかなり写真の勉強をしている」と、ネットサーフィンしながらブツブツ言ってました。少々高くても、写真がよく撮れているほうをつい買ってしまうそうです。相手も読んでますね。

 家庭での素人写真といっても、写真の良し悪しで出品商品が売れるかどうかが決まるとなれば、腕を磨く価値はあります。
 最近では、WEB上で商品写真の撮り方を解説するサイトも見受けます。プロと違って素人は、自分の研究成果を惜しげもなく公開します。なかには基本から相当外れたものもありますが、何もないより参考にはなります。

 ネットオークションの写真は、大きくても72dpiで10万画素程度です。高画質は必要ありませんが、小さなサイズの写真で優劣を争うので、それなりの難しさがあります。
 基本がしっかりしていないと勝てないのは、大きな写真でも小さな写真でも同じですね。

 家庭での商品撮影技術は、結婚式の小物撮影にも応用できます。しばらくはこのテーマで話を進めたいと思います。
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