2008/08/06(水)外注のカメラマン

 ブツ撮りのレクチャーを頼んできた呉服屋さんは、仮設スタジオを持っていて、振袖の記念写真が撮れるような設備を持っています。
 自前ではなく、写真屋に機材とスタッフを委託して、売上からマージンを取る方式です。場所だけ提供して、機材もカメラマンも外注です。

 出入りのカメラマンは、いっぱしのプロなので、彼に聞けばいいと思うんですが、借りを作りたくないんですかねぇ。プロは自分の技術を教えるのに抵抗がある・・という認識があるのはわかりますが・・・

 お客の予約がたくさんのときと、少ないときでは、派遣されてくるカメラマンが違うそうです。慣れたプロと臨時のカメラマンでは、かなりレベルが違うみたいで、呉服屋の社長は不満たらたらでした。
 腕のいいほうは忙しいときにしか来ないので、あれこれ聞く時間がないのかもしれませんね。暇なときに派遣されてくるニイチャンでは、何を聞いても無駄のようです。

 後日、写真撮影を請け負っている写真屋の社長に会ったので、ブツ撮りのレクチャーをしておいたことを伝えました。「本当はうちがやらないといけないんだけど・・」と恐縮してました。
 うちがやるって、誰が! ウデのいいカメラマンは、請負いなので日当がかかります。呉服屋の社長から直接頼まれたら、きっと日当を請求したでしょうね。相手は、それを読んでます。商売人ですね。

 呉服屋さんの女性社員が、スタジオ用のストロボを扱えたら、もっといい商品写真が撮れるんですが・・・
 照明機材のレッスンをするより、デジカメの設定方法を教えたほうが手っ取り早いですね。素人相手に1時間や2時間では、ストロボライティングは教えられません。

2008/08/05(火)蛍光灯での撮影

 知り合いの呉服屋さんから、ホームページに載せる商品写真の撮り方を教えてほしいと頼まれました。女性社員に撮らせているが、どうもうまくいかないそうです。

 撮影現場に行ってみると、床に着物を置いてデジタル一眼レフで撮ってました。蛍光灯と外光のミックス光源です。着物の色がうまく出ないと嘆いてました。
 蛍光灯は輝線スペクトルがあるので、人間の眼には太陽光と同じでも、カメラにとっては緑色がかった光です。人間は、自分の目に見えないものは信じることができません。納得させるのは難しいですね。

 窓側のブラインドを下ろして、蛍光灯だけで撮影するようにしました。カメラはFUJIFILMのFinepix S5proです。新しく買ったそうです。一丁前ですね。
 S5proには蛍光灯の補正モードが5つもついています。使っている蛍光灯が昼白色だったので、2番目の「昼白色」にセットしました。銀一の標準反射板を被写体の上に置いて、テスト撮影です。

 いままでは自動露出で撮影していたそうですが、マニュアル露出で撮るように指示しました。オートのままだと、白い着物と黒い着物では、露出がバラバラになってしまいます。

 テスト撮影したデータを早速パソコンに入れて、Photoshopで開きます。標準反射板の部分をスポイトで抽出して、RGBの数値を確認します。
 三原色とも同じ数値がピッタリ並んでいました。バッチリです。モニターの色がどうなっていても、RGBが同じ数値なら色の偏りがないグレーで撮れていることになります。

 いままで苦労して撮っていたのに・・目から鱗が落ちてスッキリしたようです。

2008/08/04(月)デジカメ用のストロボ

 デジカメに絞りの制約があると嘆いているのは、いまだに銀塩時代の照明装置を使っているからだ・・と揶揄する声が聞こえてきそうです。

 フィルム時代のストロボは、300WSにパラソルだと2灯でも人物撮影ではF8まで絞れませんでした。ソフトボックスを使うか、500WSを2灯使う必要がありました。
 デジタルカメラはレンズの焦点距離が短いので、ブローニーでF11だったのが、F5.6で十分です。被写界深度だけを考えれば、F5.6でも絞りすぎくらいです。

 デジタル時代の業務用ストロボは、大光量であることよりも、いかに小さな光量まで落とせるかが重要視されるようになりました。
 150WSのモノブロックストロボに、光量を1/8~1/16まで落とせる機能がつく時代です。動く被写体でなければ、蛍光灯照明でも撮影できますからね。

 コマーシャルスタジオで使う電源部は、フィルム用の大光量とデジタル用の小光量をワンタッチで切替できる機種へと変わりつつあります。組んだライトそのままで光量が変えられれば、フィルムとデジタルで交互に撮影できて便利です。

 カメラメーカーから供給されている外付けのストロボも、小光量のものでよいように思えますが、こちらはできるだけ大光量のものを購入するようお奨めします。
 俗にいうクリップオンストロボ程度の光量でも、本格的な照明として利用することができるからです。小さな外付けストロボは中途半端です。

 結婚式のスナップ写真に使うなら、首が縦横に振れるものを選びます。縦位置でも横位置でも、天井や壁にバウンスして撮影できるからです。
 反射光は光量のロスが多いので、大光量であるに越したことはありません。
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