2008/06/22(日)ブライダル写真業者

 ブライダル写真に関わる業者も写真業界出身ばかりではありません。昔からの写真館もあれば、別の業界から新規参入してきた業者もいます。
 照明設備を備えた写真室は、写真館が入っている場合が多かったのですが、合理化が進んで式場のスタッフが撮影するところが増えました。いつも同じライティングで撮り方も同じですから、アシスタントさえしっかりしていれば本職でなくても撮影できます。

 ブライダルフォトといえば、写真室での型モノ記念写真ではなく、写真集用のロケーションフォトをイメージするくらい、ユーザーの志向が変わってきています。型モノと違ってロケーションフォトは、写真館の苦手な分野です。
 この分野に進出してきたのが、コマーシャルフォトのカメラマンです。デジタル化の影響でCM写真で食べていけなくなったひとが、ブライダルフォトに一気に参入してきました。

 結婚式は毎日ある行事ではない代わりに、週末の吉日は手が回らないくらい集中します。繁忙日だけ仕事をするアルバイト的なカメラマンが大勢必要です。ブライダル専門の撮影業者は、常時人材を募集して補充しています。専業では食えないので入れ替わりが激しいからでしょう。
 若いフリーターがブライダルフォトを支えています。

 若いカップルに人気のある写真集は、若い感性のカメラマンのほうが有利です。二十歳そこそこの女性カメラマンがずいぶん増えました。スナップ写真を一端のカメラマンが撮るケースは減りましたね。
 ゲストが撮る場合でも、写歴ウン十年の年配者よりも若いひとのほうが向いているかもしれません。技術よりもセンスがモノを言う世界です。

2008/06/21(土)写真業界外のスタジオ

 スタジオ写真フェアには、写真館だけでなく、新興勢力の写真スタジオも大勢見にきます。新しいスタジオは大抵、写真業界外の出身ですね。呉服屋が写真スタジオを併設する時代です。

 出展業者のなかに、POPや看板を制作する企業もいます。三重県のカメラ屋さんが「がんば・らんど企画」という別名で参加しています。フォトイメージングエキスポ(PIE)の常連ですね。社長自ら説明と営業を担当しています。
 この社長、若いころはカメラのキムラで修行したこともある生粋のカメラ店経営者ですが、写真関係の宣伝物を作る会社を立ち上げました。色黒でギョロ目の丸顔から、親しみを込めて「小錦」なんてアダ名をつけたひとがいたとか。本人はあまりいい気分でないようですが・・・

 フェアで宣伝物を注文していくのは、写真業界外の業者が多いそうです。写真館の先生方は渋いみたいですね。羽振りのよさの違いでしょうか。
 以前、関西の写真師組合主催のフェアに参加したときは、さんざんだったようです。業界外のスタジオ業者は見に来ませんからね。

 斜陽産業といえども、呉服屋さんは商いの規模が写真館よりも大きいところが多いですね。金額の単位が一桁違います。
 写真館の先生方が職人気質なのに対して、呉服屋さんはおしなべて皆商売人です。財布の紐が固いのは同じですが、決断力が違います。新興勢力のほうが買いっぷりがいいみたいですね。

 羽振りのいい写真業界外の新興勢力ですが、撮影技術では古参の写真館に一歩ひけをとります。写真のデジタル化で、映像に対するユーザーの価値観が変わってきたので、この差は次第に意味がなくなるかもしれません。
 どうやら、撮影業は技術よりも接客がモノを言う世界のようです。

2008/06/20(金)ラボ仕上の写真集

 銀塩ペーパーを使った写真集は、かつて一般ユーザーの写真を処理していたラボ(現像所)が制作していることが多いようです。
 いわゆるDPEは、もうほとんどありません。市中にはミニラボと呼ばれる自家処理の写真屋さんがまだあるので、総合ラボの出る幕はなくなりました。

 各地域に生き残っているラボは、スタジオ写真の処理や写真集の制作で息をつないでいます。サービス判のプリントを捨て、業者向けの処理に特化することで生き残りを図っています。
 なかには業績を伸ばしている景気のいいラボもあるみたいですね。

 毎年7月に東京のビックサイトで「スタジオ写真フェア」が開催されます。今年は、8-9日ですかね。
 写真スタジオに関連するメーカー・商社が約80社参加します。コメットみたいなストロボメーカーもあれば、「一蔵」のような振袖レンタルの業者もいます。フジ・コダック・ニコン・キヤノン・エプソンなど大手メーカーも参加しますが、一般ユーザー向けではなく、あくまで業者向けです。

 なかでも多いのは写真集を制作する会社です。プロカラーラボや山梨フジカラーなど、ラボ業者が目立ちます。
 これらのラボは業者相手で、一般ユーザーが制作を依頼できるところはほとんどありません。プロ向けの仕上げを知る機会ではあっても、利用することは難しいでしょう。懇意にしている写真館があれば、取次ぎを頼めるかもしれませんが・・・

 写真館の先生方や従業員が大勢見にきます。写真業界は、まだまだ銀塩にこだわるひとが多いですね。印刷関係の会社も出展してますが、大抵は学校アルバムの業者です。
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