2008/06/04(水)画像データは世界を駆け巡る

 インターネットの普及と経済のグローバル化で、デジタルデータは世界を駆け巡っています。モノを動かすのには、輸送経費と時間がかかりますが、デジタルデータなら、地球の裏側に届けるのも一瞬です。

 ブライダル写真集の画像処理を海外で行なう業者は、増える傾向にあります。若年労働力のコストが安いことが魅力のようです。ブライダルフォトの編集は、若い世代が一番向いてますからね。
 問題は、仕上げの丁寧さが足りないことだ、という話を聞きました。

 国民性も関係しているようですが、仕事は早いが仕上げが粗い・・とか、繊細さやセンスに欠ける・・とか、日本人から見ると不満もあるようです。当然NGになるわけですが、人件費が安いので何度でもやり直しができます。
 何度もやり直しているうちに、段々要領がわかってくるかもしれません。現実に、結婚式場で頼んだ写真集で海外編集のものは結構あると思います。ブライダル業界の奔流は、仕上りよりも利益率重視ですからね。

 結婚式の記念に写真集を作る風習は、日本よりもアジア圏の他の国のほうが早かったように思います。いま流行っている新興勢力の写真スタジオは、台湾や韓国の写真館を模倣したところが多いですね。
 披露宴よりも記念写真にお金をかける風潮は、日本とはかなり違います。写真に対する価値観の違いかもしれません。20年以上も前に、台湾の結婚式では写真に百万円以上かけることも珍しくない・・という話を聞いたことがあります。
 日本国内でも、写真にお金をかける地域が一部にあるけどね。

 中国は急速な経済発展で、富裕層が急増しています。もともと写真に対する価値観が日本よりも高い国なので、この富裕層を狙って中国に進出する日本の写真関連企業が増えています。
 華僑発祥の国ですから、返り討ちに逢わなければいいけどね。

2008/06/03(火)写真集の英文

 業者のブライダル写真集には、英文が装飾的に散りばめられています。読めないひとほど格好よく見えるようです。いくつかパターンがあって、空いた空間に適当にはめ込むやり方と、テンプレートに最初から組んであるものと2つの方式があります。

 前回紹介のデジアナアルバムにも英文が入ります。熱転写式の文字シートが用意されていて、中台紙の空いたスペースに入れ込みます。金文字と白文字の2種類から選べますが、大抵は金文字ですね。
 中台紙がブラックだと、金と黒で葬式みたいですが、渋くてなかなか受けがいいようです。

 この英文字シートには、2箇所スペルの間違いがあって、使えない部分があります。メーカーのひとに指摘すると、「どうせ読めないからいいんですよ」だって。いいかげんなもんです。1袋に10枚も入ってるのに・・(金返せ!)
 このデジアナアルバムは、著名なブライダルフォトグラファーが企画段階から1枚噛んでいたはずですが、その先生は知ってるんでしょうか?

 韓国の写真スタジオで、日本の業者から注文を取って写真集を作っているところがあります。画像処理はフィリピンで行ない、出力と製本は韓国でやっているそうです。インターナショナルですね。
 データ丸投げで作ってくれるので便利ですが、業者専門でアマチュアの注文は受けていません。価格は安かったですね。呉服屋さんが何軒か飛びついてました。振袖のアルバムです。

 担当者によれば、フィリピンの娘は日本の振袖を知らないので、どのカットがいいかくらいは指示してもらったほうがよい・・といってました。英語の文章も適当に配置しているみたいで、「まったく場違いな文章を入れることはないと思いますが・・」と、自信なさそうでした。
 ブライダルフォトが狙いで、呉服屋さんから注文が入るとは思っていなかったようです。

2008/06/02(月)デジアナ式の写真集

 デザインアルバム(写真集)の普及で、写真台紙の需要が減っています。台紙メーカーの多くは、写真集の材料や加工に転進するところが増えました。写真スタジオも台紙屋も写真集のほうが付加価値が高いので、当然の流れだと思います。

 写真集にいち早く乗り出した企業に、Best!全進堂という台紙メーカーがあります。多面カットの写真台紙をアルバム形式にした「デジアナアルバム」の発売元です。
 中抜き台紙のパターンは、全部で50種類あって、1頁あたり1カットから十数カットまでの台紙を組み合わせて、1冊のアルバムに仕上げます。画像処理といっても、低価格のテンプレートを使って画像をはめこむだけなので、比較的簡単です。

 アマチュアでもコツさえ掴めば自分でできそうですが、中抜き台紙1パターンが10枚単位なので、業者向けとなっています。サンプル出荷として、50パターン各1枚のセットもあるので、うまく組み合わせを考えて2冊作るつもりなら、コストを下げることは可能です。異なるパターンが1枚ずつのセットだから、実際にはレイアウトが難しいけどね。

 このデジアナアルバムは、何冊か作ってプレゼントしたことがあります。写真の縦横を考えながら、できるだけ少ないパターン数で収めるのがコストを下げるコツです。中抜き台紙は正方形なので、90°回転させたり上下を逆にしたりして変化をつけるわけです。

 中抜き台紙は厚みのあるVカットタイプだから、写真同士が触れることはありません。湿気で印画紙がくっつく心配がないし、インクジェット出力ならコスレの問題がないのが特長です。メーカーは「ラミネートは必須」といってますが・・・
 難点は材料の種類が多いことです。アルバム本体のほかに、中抜き台紙と全面タックシール(両面テープ)が必要です。もちろん、それプラス写真のプリント代が要ります。
 1冊作るだけなら気にするほどの手間と金額ではありませんが、何冊も作る業者の立場でみるとコストの高いアルバムです。

 中台紙をバラ売りしてくれれば、アマチュアに結構売れると思いますが、ヨドバシやビックとは疎遠のメーカーなので、一般のひとが入手するのは難しいでしょうね。
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